ニュース速報
ワールド

イスラエルがガザとレバノン空爆、西岸で衝突 ハマス・イラン協議

2023年10月23日(月)23時00分

 10月23日、イスラエルは、パレスチナ自治区ガザを空爆したほか、レバノン南部で軍機による夜間攻撃を実施した。ガザ南部のハンユニスで撮影(2023年 ロイター/Ibraheem Abu Mustafa)

Nidal al-Mughrabi Emily Rose

[ガザ/エルサレム 23日 ロイター] - イスラエルは23日未明、パレスチナ自治区ガザを空爆したほか、レバノン南部で軍機による夜間攻撃を実施した。

ガザ保健省は過去24時間にイスラエル軍の空爆により436人が死亡したと発表した。その多くは南部だったという。

パレスチナのメディアによると、イスラエルの攻撃はガザの中心部と北部に集中。北部のジャバリア難民キャンプ近くの民家が攻撃を受けた。

イスラエル軍は23日午前、過去24時間でガザの320以上の目標を攻撃したと発表。ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの戦闘員が潜んでいる地下トンネルや指令室、監視所などが攻撃目標になった。「ガザ周辺で地上作戦の準備を進めている軍隊を危険にさらす」拠点のほか、迫撃砲や対戦車ミサイルランチャーの拠点を攻撃したとしている。

イスラエルは現在、軍をガザとの境界付近に集結させているが、地上戦をいつ開始するかは明らかになっていない。

イスラエルはガザ住民に北部からの避難を命じている。しかし、国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、南部でも砲撃が強まり避難所が不足しているため、最大数千人の避難民が北部に戻っているとみられる。

イスラエル軍はレバノンの親イラン組織ヒズボラの2拠点も空爆した。同軍によると、ヒズボラはこれらの拠点からイスラエルに向けた対戦車ミサイルやロケット弾の発射を準備していた。

ヒズボラは戦闘員1人が死亡したとだけ明らかにした。

イスラエル軍によれば、空爆した1拠点は、レバノン南部アイタルーンの南西約13キロにあるイスラエルの町マタトに隣接しており、もう一つはさらに国境に近い紛争中のシェバア農場付近にあった。軍はヒズボラから攻撃を受ける前に両拠点を空爆したという。

レバノンの国営通信社NNAは、イスラエルがアイタルーン郊外を空爆したと報じたが、詳細は伝えていない。

イスラエル軍は今回の紛争が始まって以来、レバノン国境で兵士7人が死亡したと発表した。

イスラエル占領下のヨルダン川西岸では、ラマラ近郊のジャラゾン難民キャンプでパレスチナ人2人が死亡したと、パレスチナ保健省が23日発表した。

住民がロイターに語ったところによると、イスラエル軍がキャンプを急襲し、銃器携帯者や投石する若者と衝突するとともに多くの人の身柄を拘束した。イスラエル軍はこの衝突についての声明を出していない。

ハマスによると、最高指導者のイスマイル・ハニヤ氏は22日夜、イランのアブドラヒアン外相と電話協議を行い、ガザにおけるイスラエルの「残忍な犯罪」を停止させる止める手段について話し合った。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中