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米大統領、トルコにF16供与の意向 議会と協議へ
7月11日、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当・写真)は、バイデン大統領がF16戦闘機をトルコに譲渡する方向で議会と協議すると述べた。写真は7日、ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Jonathan Ernst)
[ビリニュス 11日 ロイター] - サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は11日、バイデン大統領がF16戦闘機をトルコに供与する方向で議会と協議すると述べた。
北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に先立ち、リトアニアの首都ビリニュスで明らかにした。
トルコのエルドアン大統領は10日遅く、スウェーデンのNATO加盟に向けた批准手続きを進めることに同意した。
サリバン氏は「(バイデン大統領は)供与への支持を明言している」とし「条件は付けていない。移転を進める意向だ」と発言。時期について詳細を明らかにしなかった。
F16の売却を阻止してきた上院外交委員会のボブ・メネンデス委員長(民主党)は10日、この件についてバイデン政権と協議しており、今後1週間以内に決定する可能性があると述べた。
国務省のミラー報道官は、ブリンケン長官がここ数週間にトルコのフィダン外相やメネンデス氏を含む米議員らと協議したとし、「きょう大統領補佐官が述べた通り、われわれは(F16の)売却を進める。議会の主要メンバーによる承認が必要と理解している」と語った。
同省の資料によると、ブリンケン氏は5日と8日にフィダン氏と電話会談し、スウェーデンのNATO加盟について働きかけていた。また、10日にエルドアン氏が加盟支持を表明する数時間前にもフィダン氏と協議していた。
<スウェーデン巡る脅し>
一部の外交官やアナリストは、トルコがスウェーデンの加盟批准の見返りに米国にF16戦闘機を要求していたとの見方を示している。
欧州連合(EU)のシンクタンクである欧州外交評議会の防衛専門家、カミーユ・グランド氏は「トルコが空軍を近代化し新たなF16を調達できるよう、バイデン政権から強い働きかけがあったようだ」と指摘。
この働きかけに加え、トルコがテロリスト組織と見なすクルド労働者党(PKK)を巡るスウェーデンの取り組みが、同国の加盟について「エルドアン氏を説得する上で重要な役割を果たした可能性がある」と述べた。
ジェラール・アロー元駐米フランス大使は「スウェーデンを巡る脅し」が報われたとツイッターに投稿した。
ロシア政府関係者は、スウェーデンのNATO加盟はロシアの安全保障にマイナスの影響をもたらすとし、対抗措置が必要になるとの見解を示した。