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ラシュディ氏襲撃、本人と支持者に責任=イラン外務省

8月15日、イラン外務省報道官は小説「悪魔の詩」で知られる作家サルマン・ラシュディ氏(写真)が米国で襲撃された事件について、ラシュディ氏とその支持者のみに責任があり、イランを非難する権利は誰にもないと表明した。フランクフルトのブックフェアで2015年10月撮影(2022年 ロイター/Ralph Orlowski)
[ドバイ/ワシントン 15日 ロイター] - イラン外務省報道官は15日、小説「悪魔の詩」で知られる作家サルマン・ラシュディ氏が米国で襲撃された事件について、ラシュディ氏とその支持者のみに責任があり、イランを非難する権利は誰にもないと表明した。
イラン政府が襲撃事件について公式にコメントするのは初めて。
報道官は会見で、ラシュディ氏によるイスラム教の冒涜は言論の自由では正当化できないと主張。「本人とその支持者以外に非難・糾弾されるべき人間はいないと考える。この点で誰もイランを非難する権利はない」と述べた。
ラシュディ氏に対してはイランの最高指導者だった故ホメイニ師が1989年、「悪魔の詩」がイスラム教を冒瀆しているとして死刑宣告のファトワ(宗教令)を出していた。
その後、イラン政府は98年にこのファトワを支持しない意向を示したが、2019年には、現在の最高指導者ハメネイ師がファトワは「撤回不可能なもの」とツイートし、ツイッターがハメネイ師のアカウントを停止した。
米国務省のプライス報道官は15日、イランの主張を「卑劣で、非常に不快」で「言語道断」と非難した。
ジョンソン英首相の報道官も「ばかげている」とし、「ラシュディ氏に対する攻撃にとどまらず、言論・表現の自由の権利に対する攻撃だ」と述べた。