米UPS、コスト圧縮へ2万人削減 アマゾン配送減に対応

United Parcel Service's (UPS) newly launched electric delivery truck is seen in Compton, California, U.S., September 13, 2023. REUTERS/Lisa Baertlein
[29日 ロイター] - 国際貨物輸送大手の米ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は29日、2万人を削減すると発表した。6月末までに73施設を閉鎖し、2025年に合計で35億ドルのコスト削減を見込む。不透明な経済情勢と最大顧客アマゾン・ドット・コムの配送量の減少が見込まれるとした。
トランプ米政権による高関税政策により貿易が縮小し、各社は需要減を見越してコスト削減に動いている。景気減速により、企業間の輸送需要の減が見込まれている。UPSのキャロル・トメ最高経営責任者(CEO)は「ネットワークの再構築と事業全体でのコスト削減の取り組みは時機を得たものだ」と強調した。
米政権が5月2日から800ドル未満の輸入品に対する関税免除を停止することを決めたため、UPSは、中国関連の電子商取引(EC)サイトのTemu(テム)やShein(シーイン)の配送量急減にも直面している。UPSは24年にも1万2000人の削減を発表。25年には退職金や賃貸関連費用に関連する費用として4─6億ドルを見込んでいる。24年に売上高の11.8%を占めたアマゾン関連の配送業務を数百万件減らす計画を加速することも25年1月に発表している。
UPSが同日発表した25年第1・四半期(25年1月─3月期)決算は、売上高が215億ドルと前年同期からやや減少した。ただ、LSEGがまとめた市場予想の210億5000万ドルは上回った。
米国内部門の売上高は、1.4%増の144億6000万ドル。航空貨物量が増え、1件当たりの売上高が改善した。調整後の1株当たり利益は1.49ドルと、市場予想1.38ドルを上回った。経済の先行きが見通せないとして、25年12月期の業績見通しの修正額は公表できないとした。