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NY市場サマリー(25日)ドル小幅高、株4日続伸 利回り低下

2025年04月26日(土)06時16分

<為替> ドルが小幅高。中国が対米関税の一部を免除したことを受け、米中貿易摩擦が緩和されるとの期待が高まった。ドルは週間ベースで3月中旬以来初めて上昇する見通し。

中国政府は米国からの輸入品に対する125%の関税について、一部品目を対象から除外することを認め、対象となり得る品目について企業側に意見を求めている。複数の企業が明らかにした。

トランプ米大統領は25日に公表された米誌タイムとのインタビューで、米政権が中国と関税協定を結ぶために協議しており、中国の習近平国家主席から電話があったと述べた。関税を巡る交渉は3ー4週間ほどで終わらせるとも言明した。

シティ・インデックスの市場ストラテジスト、フィオナ・シンコッタ氏は「状況が必ずしも明確になったとは思わないが、緊張の緩和に向かっているように見える」と指摘。「売られ過ぎの領域から抜け出したが、ドルの回復を祝うのは明らかに時期尚早だ」と述べた。

終盤の取引で、主要通貨バスケットに対するドル指数は約0.07%上昇した。

ドル/円は0.67%高の143.555円、ドル/スイスフランは0.09%高の0.827フラン。

ユーロ/ドルは0.11%安の1.1377ドル、ポンド/ドルも0.1%安の1.3325ドル。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが低下した。米中貿易戦争が緩和に向かう兆しが出ていることに加え、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が高まっていることが背景。

ミシュラー・フィナンシャル・グループのマネジング・ディレクター、トニー・ファレン氏は米中貿易摩擦を巡り「態勢を立て直そうとする努力がみられている」としながらも、「来週の金曜日までに(米国が)どの国とも貿易を巡る合意が得られなければ、市場は動揺する」と述べた。

FRBの金融政策を巡っては前日、トランプ政権の関税政策が経済に及ぼす影響を見極めるために政策の変更は急がないとするFRB当局者の発言が相次いだ。

ミシュラーのファレン氏は一連の発言ついて「FRBが注意を払っている証拠」だとし、「FRBは経済にとって正しいことをしようとしている」と述べた。

この日発表の経済指標では、米ミシガン大学の4月の消費者信頼感指数(確報値)が52.2と、3月確報値の57.0から低下。速報値50.8からは改善したものの、米関税措置を巡る経済的影響への懸念を背景に4カ月連続で低下した。

コメリカバンクのチーフエコノミスト、ビル・アダムス氏は「速報値からは改善したものの、依然として悲惨な状態」と指摘。「消費者は関税措置、株価動向、物価動向、景気後退(リセッション)を巡る懸念で動揺している」と述べた。

終盤の取引で10年債利回りは約4ベーシスポイント(bp)低下の4.266%。

30年債利回りは4.739%と、前日の4.766%から低下した。

2年国債利回りは約3bp低下の3.762%。

2年債と10年債の利回り格差は50bpと、今週は縮小した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 4日続伸。米中の貿易摩擦緩和への期待が高まり、企業決算の内容が消化される中、週間ベースでも上昇した。

超大型ハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」が買われ、S&P総合500種とナスダック総合を押し上げた。

小型株で構成するラッセル2000指数も週間ベースで昨年11月以来の大幅な上昇率を記録した。

第1・四半期決算の発表は本格化し、これまでにS&P500採用企業のうち179社が業績を発表。LSEGによると、73%が市場予想を上回った。

S&P500の主要11業種中、一般消費財と情報技術が上昇を主導。一方、素材の下げが目立った。

グーグルの持ち株会社アルファベットは1.7%高。第1・四半期決算は、売上高と利益が予想を上回った。人工知能(AI)分野への投資が広告事業の収益に寄与しているとの見方を示し、投資家に安心感をもたらした。

半面、インテルは6.7%安。第2・四半期の売上高・利益見通しはともにアナリスト予想平均を下回った。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.33対1の比率で上回った。ナスダックでも1.14対1で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は143億株。直近20営業日の平均は191億3000万株。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米中貿易摩擦激化への過度の警戒感が後退する中で売られ、反落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比50.20ドル(1.50%)安の1オンス=3298.40ドル。週間では0.90%安となった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 米中貿易交渉を巡る不透明感を背景とした売りが一服し、続伸した。米国産標準 油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比0.23ドル(0.37%) 高の1バレル=63.02ドルだった。7月物は0.19ドル高の62.33ドル。 取引前半は売りが先行していたが、その後、米中貿易摩擦懸念を受けた原油売りが一巡。安値拾いの買いや週末を前にした持ち高調整の買い戻しが優勢となった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

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