中小企業による官公需の価格転嫁促進など提言、新しい資本主義実現会議

政府は28日、新しい資本主義実現会議を開き、中小企業の価格転嫁や経営基盤強化について議論した。資料写真、2024年11月、代表撮影(2025年 ロイター)
Yoshifumi Takemoto
[東京 28日 ロイター] - 政府は28日、新しい資本主義実現会議を開き、中小企業の価格転嫁や経営基盤強化について議論した。6月に改訂する新しい資本主義のグランドデザイン(基本的な考え方)と実行計画に反映する。
議論のベースとして事務局が示した論点案では、社会全体で適切な価格転嫁の定着を図るため、下請事業者の利益保護を定める下請法の改正により事業所管省庁の執行体制強化や労働基準監督署の機能活用などを通じ、業種別・規模別で価格転嫁の改善策を徹底する必要があるとした。また、地方の中小企業・小規模事業者にとって重要度の高い「官公需」における価格転嫁のための施策パッケージを新たに策定・実行すべきと指摘された。
中小・小規模企業の賃上げや投資の原資確保の観点から関係省庁が連携して総合的に取り組むためには、地方経済に官公需が占める割合が高いことを踏まえ、同パッケージを策定して強力に実行する必要があると提言された。
さらに、中小企業の生産性向上策が業種によってばらつきがある現状を踏まえ、2029年までの5年間を集中取り組み期間とし、省力化投資やデジタル化投資を通じた生産性向上を後押しする案も出された。