米FRB、間もなく赤字から脱却へ=モルガン・スタンレー

3月24日、米金融大手モルガン・スタンレーは同日付のノートで、米連邦準備理事会(FRB)が間もなく、ここ数年続いた赤字から黒字に転じ、再び財務省(国庫)に利益を納められるようになる道筋ができるとの分析結果を示した。ワシントンのFRB本部前で2013年7月撮影(2025年 ロイター)
Michael S. Derby
[24日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーは24日付のノートで、米連邦準備理事会(FRB)が間もなく、ここ数年続いた赤字から黒字に転じ、再び財務省(国庫)に利益を納められるようになる道筋ができるとの分析結果を示した。
FRBは2022年からインフレ抑制のために積極的な利上げを開始したため、市中銀行などへの利払い費が保有債券から得られる利息を上回り、歴史的に異例の大幅赤字に陥っている。しかし最近は利下げとバランスシートの縮小が相まって「驚くには当たらないが、FRBはフローベースの赤字からの脱却が間近に迫っている」とモルガンは説明した。
FRBは債券の保有規模を減らし続けている上、追加利下げも予想されるため「再び利益を出し始めるだろう」という。
FRBは発足以来22年まで、大半の期間で大幅な利益を上げていた。
FRBは赤字を「繰り延べ資産」と呼ばれる項目に計上し、黒字化した場合には利益によって同資産を解消した後に剰余金を国庫に納付し始める。現在の繰り延べ資産は2244億ドル程度。
アナリストらは、繰り延べ資産の解消には何年もかかるとみているが、モルガンの予想通りなら、ようやく解消の方向に動き出したことになる。