マネーストックM3、1月は前年比0.8%増 伸び縮小も残高は増加
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日銀が12日に発表した1月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比0.8%増の1610兆4000億円だった。写真は2022年11月、東京で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Tetsushi Kajimoto
[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日に発表した1月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比0.8%増の1610兆4000億円だった。前月12月の0.9%増(速報から改定)から伸びは縮小したが、残高は増加した。日銀の利上げを受け法人中心に普通預金から定期預金へのシフトが起こった結果、預金通貨の伸びが縮小した一方、準通貨は拡大した。
M3のうちM1に含まれる預金通貨は前年比1.4%増で、2010年3月以来の低い伸び。定期預金等を含む準通貨の伸び率は1.3%増と前月の1.0%増加から拡大し、10年6月以来の大きさだった。
日銀の担当者は「個人消費が緩やかに増加する中で、手元の預金が減っている」との見方を示した。
M2は同1.3%増で伸びは前月と同水準。
広義流動性は前年比3.6%増と伸び率は前月(3.7%増)から縮小したが、残高は2198兆7000億円と4カ月連続で増加した。
金利が付き始めたことで、国債は前年比38.0%増と前月と同水準の大幅なプラス幅を維持、外債は14.4%増で前月(13.4%増)からプラス幅が拡大した。
SⅯBC日興証券シニアエコノミストの宮前耕也氏は「今後の国債の安定消化や個人消費の拡大という動きを見る上で、現金、預金、準通貨のバランスを見る必要がある」と指摘した。
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