ニュース速報
ビジネス

政策金利の調整幅、その時々の経済・物価・金融情勢次第=日銀総裁

2025年02月12日(水)13時17分

 日銀の植田和男総裁は12日午前の衆院・財務金融委員会で、一般論として政策金利の調整幅はその時の経済・物価・金融情勢次第であり、今後とも情勢をしっかり見極めて適切な金融政策を実行していきたいと述べた。写真は都内の日銀本店で1月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Kentaro Sugiyama

[東京 12日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は12日午前の衆院・財務金融委員会で、一般論として政策金利の調整幅はその時の経済・物価・経済情勢次第であり、今後とも情勢をしっかり見極めて適切な金融政策を実行していきたいと述べた。これまでの政策金利の上げ幅は適切だったとの認識も示した。桜井周委員(立憲)への答弁。

桜井委員は、米国のトランプ政権の政策が経済に与える影響が不透明な中、日銀が金融政策運営の柔軟性と機動性を高めるため、今後の利上げ幅を0.1%などに小さく刻むことも一つの方法ではないかと指摘した。

植田総裁は、1月の決定会合では様々な情勢を丹念に検討し、不確実性の高さも念頭に置いた上で0.25%の利上げを決めた、と説明。「これまでのところ、こうした利上げの幅による政策決定は適切だった」と述べ、その上で「今後とも情勢をきちんと見極めて適切な金融政策を実行していきたい」と語った。

<食料品などの価格上昇、国民生活に強いマイナス影響>

桜井委員は、生鮮食品の価格は天候要因などで振れ幅が大きくなるため、物価のかく乱要因として除外されてきたが、天候不順は特異事例ではなくなってきたと指摘。日銀が金融政策を決定する際、生鮮食品を含んだ消費者物価指数(CPI)で物価動向を検討することを提案した。

植田総裁は、日銀の物価安定目標について、生鮮食品を含む総合ベースの消費者物価の前年比で2%と定義していると説明。足元では、食料品など人々の購入頻度の高い品目の価格が大きく上昇し、国民生活に強いマイナスの影響を及ぼしていることは深く認識している、と述べた。

その上で「足元の生鮮食品を含む食料品などの値上がりが一時的なものでは必ずしもなく、人々のマインドや期待物価上昇率などに影響を与えているというリスクはゼロではない、そういう観点も取り入れながら適切に金融政策を実行していきたい」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

出光興産、発行済み株の6.1%・700億円を上限に

ビジネス

中国農村金融機関の合併が過去最多、問題大きくしただ

ビジネス

午後3時のドルは一時153円後半へ上昇、1週間ぶり

ワールド

ベトナム、25年成長率目標を8.0%に上方修正へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザ所有
特集:ガザ所有
2025年2月18日号(2/12発売)

和平実現のためトランプがぶち上げた驚愕の「リゾート化」計画が現実に?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 2
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップルは激怒
  • 3
    2025年2月12日は獅子座の満月「スノームーン」...観察方法や特徴を紹介
  • 4
    世界のパートナーはアメリカから中国に?...USAID凍…
  • 5
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 6
    0.39秒が明暗を分けた...アルペンスキーW杯で五輪メ…
  • 7
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 8
    極めて珍しい「黒いオオカミ」をカメラが捉える...ポ…
  • 9
    便秘が「大腸がんリスク」であるとは、実は証明され…
  • 10
    フェイク動画でUSAIDを攻撃...Xで拡散される「ロシア…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 3
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 4
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 5
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 6
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 9
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 10
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中