政策金利の調整幅、その時々の経済・物価・金融情勢次第=日銀総裁
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日銀の植田和男総裁は12日午前の衆院・財務金融委員会で、一般論として政策金利の調整幅はその時の経済・物価・金融情勢次第であり、今後とも情勢をしっかり見極めて適切な金融政策を実行していきたいと述べた。写真は都内の日銀本店で1月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Kentaro Sugiyama
[東京 12日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は12日午前の衆院・財務金融委員会で、一般論として政策金利の調整幅はその時の経済・物価・経済情勢次第であり、今後とも情勢をしっかり見極めて適切な金融政策を実行していきたいと述べた。これまでの政策金利の上げ幅は適切だったとの認識も示した。桜井周委員(立憲)への答弁。
桜井委員は、米国のトランプ政権の政策が経済に与える影響が不透明な中、日銀が金融政策運営の柔軟性と機動性を高めるため、今後の利上げ幅を0.1%などに小さく刻むことも一つの方法ではないかと指摘した。
植田総裁は、1月の決定会合では様々な情勢を丹念に検討し、不確実性の高さも念頭に置いた上で0.25%の利上げを決めた、と説明。「これまでのところ、こうした利上げの幅による政策決定は適切だった」と述べ、その上で「今後とも情勢をきちんと見極めて適切な金融政策を実行していきたい」と語った。
<食料品などの価格上昇、国民生活に強いマイナス影響>
桜井委員は、生鮮食品の価格は天候要因などで振れ幅が大きくなるため、物価のかく乱要因として除外されてきたが、天候不順は特異事例ではなくなってきたと指摘。日銀が金融政策を決定する際、生鮮食品を含んだ消費者物価指数(CPI)で物価動向を検討することを提案した。
植田総裁は、日銀の物価安定目標について、生鮮食品を含む総合ベースの消費者物価の前年比で2%と定義していると説明。足元では、食料品など人々の購入頻度の高い品目の価格が大きく上昇し、国民生活に強いマイナスの影響を及ぼしていることは深く認識している、と述べた。
その上で「足元の生鮮食品を含む食料品などの値上がりが一時的なものでは必ずしもなく、人々のマインドや期待物価上昇率などに影響を与えているというリスクはゼロではない、そういう観点も取り入れながら適切に金融政策を実行していきたい」と語った。