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トヨタなど日本の自動車株が大幅安、「トランプ関税」に反応

2025年02月03日(月)11時19分

 2月3日、東京株式市場で、トヨタ自動車など自動車株が売られている。写真は都内にある東京証券取引所で昨年12月撮影(2025 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 3日 ロイター] - 3日の東京株式市場で、トヨタ自動車など自動車株が売られている。トランプ米政権が4日に発動する関税対象のメキシコとカナダには自動車産業が集積し、日系メーカーも両国で生産した車両を米国へ輸出、関税の影響は避けられないとみられている。カナダとメキシコは報復関税を表明しており、米国からカナダへ鉱山機械を輸出するコマツの株も下げている。

東証33業種で輸送用機器が4%超安で値下がり率トップ。トヨタ自動車と日産自動車が5%近く下落、マツダが7%超安、ホンダが6%超安で推移している。

市場では「カナダやメキシコが報復関税を課す方針で、今後の報復合戦が警戒される。自動車株はサプライチェーンへのダメージが避けられないとみられ、業績にも悪影響が出るとの懸念から下げがきつくなっている」(GCIアセットマネジメントのポートフォリオマネージャー・池田隆政氏)との指摘が聞かれた。

日本貿易振興機構(ジェトロ)がデロジエ・オートモーティブ・レポートを基にまとめた日系各社の2023年生産実績は、メキシコは日産が3拠点で年間59万9029台、トヨタが2拠点で25万0017台、マツダが1拠点で20万2506台、ホンダが2拠点で16万7252台。カナダはトヨタが2拠点で52万5811台、ホンダが1拠点で37万4467台だった。

トヨタによると、同社はメキシコで生産した車両のほとんどを米国へ輸出。ホンダは8割、マツダは6割輸出している。日産は輸出の割合を明らかにしていない。

関税の影響について各社にコメントを求めたところ、マツダは「⾃動⾞業界や弊社への影響については、政策を急ぎ精査し、弊社ビジネスに与える具体的な影響を評価する」と回答した。トヨタは回答を控えた。他社のコメントは現時点で得られていない。

ジェトロが1月8─10日に在米の日系企業を対象に実施した調査によると、回答があった260社の半数近くがトランプ政権の関税政策の影響を受けると答えた。自由貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」のルールを無視して関税が課されれば「事実上、北米の自動車サプライチェーンは崩壊する」との声も寄せられた。

建機大手のコマツは米国で生産した鉱山機械をカナダへ輸出しており、小川啓之社長は昨年12月のロイターとのインタビューで、カナダが報復関税を課すことを懸念していた。カナダのトルドー首相は1日、米国からの輸入品に4日から報復関税を課すと表明した。コマツのコメントは現時点で得られてない。

ロイター
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