ニュース速報
ビジネス

英中銀、来月利下げへ 市場予想以上の追加緩和示唆も

2025年01月30日(木)15時40分

 1月30日、イングランド銀行(英中央銀行)は2月6日に政策金利を4.75%から4.50%に引き下げる見通しだ。写真は英国シティ・オブ・ロンドンにあるイングランド銀行。2017年4月撮影(2025年 ロイター/Hannah McKay)

Andy Bruce

[30日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は2月6日に政策金利を4.75%から4.50%に引き下げる見通しだ。市場の予想以上のペースで利下げを進める可能性を示唆することも考えられる。

ロイターのエコノミスト調査では回答者全員が6日の25ベーシスポイント(bp)利下げを予想。金融市場も90%近い確率で利下げを織り込んでいる。

中銀は6日に新たな経済予測も公表する。昨年11月の経済予測公表以降、英経済は低迷しており、中銀が最も注目するインフレ指標は先月、鈍化した。ただ賃金上昇率は予想外に加速している。

経済指標は強弱入り乱れており、金融政策委員の見解に変化があれば、市場は敏感に反応するとみられる。昨年12月の金融政策委員会では6人が据え置き、3人が25bpの利下げを主張した。

金融政策委員は、昨年10月末の予算案に盛り込まれた国民保険料の雇用主負担分引き上げに企業がどう反応するかというインフレ見通しを左右する重大な問題について見解を示す可能性がある。

金融市場は29日時点で年内に3回近い25bp利下げがあると予想。中銀はさらに早いペースの利下げを望んでいる可能性があり、一部の金融政策委員は国内経済の低迷やユーロ圏経済の見通し悪化を巡るリスクを強調するとみられている。

ラボバンクのシニア為替ストラテジスト、ジェーン・フォーリー氏は「中銀のハト派的なコメントで目先、ポンド売りが出やすくなることが予想できるが、投資家や企業にとっては安心材料になるだろう」と述べた。

テイラー金融政策委員は15日、国内経済に減速の兆しがみられることを踏まえ、迅速に利下げを行うべきだと主張。年内に4回の利下げを予想していると述べた。

ブリーデン副総裁は9日、最近の状況は段階的な利下げを支持しているものの、適切な緩和ペースを探るのは難しいと発言した。

短期金利はここ数週間低下しているが、2─3年物の金利は昨年11月の経済予測の根拠になった水準を依然大幅に上回っており、金融環境がタイト過ぎると中銀が判断する可能性がある。

インベステックのチーフエコノミスト、フィリップ・ショー氏は、景気が低迷しており、企業が増税分を消費者に価格転嫁するのは難しいと考えるだろうと指摘。「このため、中銀は短期的なインフレ加速を無視し、現在織り込まれている以上の利下げを実施しやすくなるはずだ」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米旅客機衝突墜落事故、死者60人超か 生存者なしの

ビジネス

米GDP、24年第4四半期速報値は+2.3%に減速

ワールド

グーグルの「アメリカ湾」表記変更は間違い、メキシコ

ワールド

ハマスが人質解放、イスラエル人3人とタイ人5人 引
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 3
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望している理由
  • 4
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 5
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 6
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 9
    世界一豊かなはずなのに国民は絶望だらけ、コンゴ民…
  • 10
    トランプ支持者の「優しさ」に触れて...ワシントンで…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 3
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 6
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 7
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 8
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 9
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 10
    軍艦島の「炭鉱夫は家賃ゼロで給与は約4倍」 それでも…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中