英財務相、ヒースロー空港新滑走路建設を支持 経済対策の目玉に
英国のリーブス財務相(写真)は29日、欧州で最も利用が多いロンドンのヒースロー空港に新滑走路(第3滑走路)を建設する計画を支持すると表明した。28日にロンドンで代表撮影(2025年 ロイター)
[エインシャム(英国) 29日 ロイター] - 英国のリーブス財務相は29日、欧州で最も利用が多いロンドンのヒースロー空港に新滑走路(第3滑走路)を建設する計画を支持すると表明した。
過去の政権下で計画の遅延が長期化していたが、新滑走路建設により航空便を増やして輸出先の拡大を図る。低迷する英経済立て直し策の目玉と位置づけ、積み上がる公債残高の早期削減を不安視する債券市場から信頼を取り戻す方針だ。
ヒースロー空港のトーマス・ウォルドバイ最高経営責任者(CEO)はロイターの取材で、第3滑走路は2035年までに運用を開始できる可能性があると述べた。
ただ、増便は気候変動対策で温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする政府公約を損なうとしてロンドン市長や環境団体が反対している。財務相は否定し「もはや(新滑走路建設の)計画を撤回することはできない」と突っぱねた。
経済立て直し策は包括的で、財務相は同日、滑走路建設のほかにもスターマー政権の政策を列挙した。新しい風力発電所と貯水池計画や、オックスフォードとケンブリッジの大学都市を結ぶ「成長回廊」の計画を挙げた。その上で、住宅建設と両大学都市間の新交通網が「欧州のシリコンバレー」誕生に寄与するとの見通しを述べた。
このほか、16ギガワットの洋上風力発電の実現に向けて政府が整備を進めると表明。政府系基金を通じて電気自動車(EV)の充電ネットワークに6500万ポンド(8070万ドル)、イングランド南西部の採掘事業に2800万ポンドを投資する方針も明らかにした。英国と欧州連合(EU)の通商面のつながりを再構築し、第2次トランプ米政権との関係強化を図ると述べた。
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