ニュース速報
ビジネス

午後3時のドルは155円後半で堅調、米大統領の発言で 日銀は利上げの次が焦点

2025年01月22日(水)15時50分

 1月22日 午後3時のドル/円は155円後半と、前日のニューヨーク市場終盤からドル高/円安の水準で取引されている。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)

Atsuko Aoyama

[東京 22日 ロイター] - 午後3時のドル/円は155円後半と、前日のニューヨーク市場終盤からドル高/円安の水準で取引されている。連日のトランプ米大統領による関税関連の発言で、インフレを高進させる政策に関するヘッドラインが続くとの見方がドル買いを促している。日銀の1月の利上げはほぼ織り込み済みとなる中、次の利上げ道筋が不透明で、円買いも進まない状況となっている。

前日に続いてトランプ氏の関税関連発言が東京時間に伝わり、ドルは朝方に155円半ばから155円後半に上昇。仲値公示前後にはいったん155円前半まで軟化したものの、その後は再び上昇に転じた。仲値後もドル需要が強かったとの声もあった。

りそなホールディングスのシニアストラテジスト、井口慶一氏は、1月の日銀利上げがほぼ織り込み済みとなる中で、次の利上げの道筋が見えず、円買いが進みづらいと指摘。「0.5%までの利上げはほぼ織り込まれているが、次の利上げまで少し間が空くことを見越している可能性がある」と述べた。一方、連日のトランプ米大統領による関税関連発言もあり、インフレを高める政策に関するニュースがまだ続くとの見方がドルを支えているとした。

セントラル短資FXの市場業務部専任部長、富永貴之氏は、トランプ米大統領の発言で多少の上下があるもののここ最近は狭いレンジの中での売買にとどまっているとした上で、本格的に方向感がみえるのは「上方向では158円を明確に抜けるか、下は154円をしっかり割り込む水準」だとの見方を示した。

今は「ドル/円の下攻めには慎重」な展開となっており、今週日銀が利上げに動いたとしても、トランプ氏の政策でインフレが高まれば米連邦準備理事会(FRB)の動向次第で「日米金利差が縮まるどころか拡大する恐れもある」とも指摘した。

トランプ米大統領は21日、欧州連合(EU)に関税を課す考えを表明した。また、中国からの輸入品に対して2月1日から10%の関税発動を検討していると明らかにし、合成麻薬「フェンタニル」が中国からメキシコとカナダに輸出されているためと説明した。トランプ氏は20日も、メキシコやカナダへの関税検討を明らかにしていた。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 155.81/155.85 1.0415/1.0417 162.31/162.32

午前9時現在 155.74/155.76 1.0405/1.0407 162.06/162.09

NY午後5時 155.50/155.55 1.0429/1.0430 162.14/162.23

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:米のパリ協定再離脱、影響は前回2017年より

ビジネス

ECB、金利は年内2%接近へ 利下げ加速も=ギリシ

ビジネス

現代製鉄、米工場建設を積極検討

ビジネス

英財政赤字、12月は市場予想以上に膨らむ 利払い費
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 3
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピー・ジョー」が居眠りか...動画で検証
  • 4
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 5
    大統領令とは何か? 覆されることはあるのか、何で…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    世界第3位の経済大国...「前年比0.2%減」マイナス経…
  • 8
    トランプ新政権はどうなる? 元側近スティーブ・バノ…
  • 9
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 10
    米アマゾン創業者ジェフ・ベゾスが大型ロケット打ち…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中