今年の世界経済成長率は昨年並みの2.8%に=国連経済社会局
1月9日、国連経済社会局は、「世界経済状況・予測」報告書で、今年の世界経済成長率が2024年並みの2.8%になるとの見通しを示した。写真は、マンハッタンに立つワン・ワールド・トレード・センター・ビル(写真中央)。2023年7月、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Amr Alfiky)
[国連/ニューデリー 9日 ロイター] - 国連経済社会局は9日発表した「世界経済状況・予測」報告書で、今年の世界経済成長率が2024年並みの2.8%になるとの見通しを示した。
米国と中国がプラス成長ながらも伸びが鈍化する一方、欧州連合(EU)、日本、英国は緩やかに回復し、インドやインドネシアなど一部の有力途上国が堅調に推移すると想定している。
報告書は「世界経済は(コロナ禍前の)2010─19年平均の3.2%に比べて成長が減速するだろう」と述べ、それは低調な投資や生産性の伸び下振れ、高水準の債務、人口動態面の重圧など構造的な課題が残り続けている表れだと指摘した。
国・地域別で成長率を見ると、米国は労働市場の軟化と消費減速を受け、24年見込みの2.8%から1.9%に鈍化する。中国は公共投資と強い輸出のプラス効果がさえない消費と不動産セクターの低迷が尾を引くことによって薄らぎ、4.9%から4.8%に切り下がるという。
欧州は0.9%から1.3%に加速。インフレの和らぎと底堅い労働市場が支えになるとみられる。
報告書は、インフレ圧力の後退を背景に主要中央銀行は今年、利下げをさらに進める公算が大きいと分析した。ただ金融緩和だけでは世界経済成長を再加速させたり、格差問題を解決したりするには不十分で、債務や気候変動など国際的な危機対応には多国間の大胆な取り組みが求められるとも提言した。
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