市中向け発行増額172.3兆円、脱日銀へ長期化是正=25年度国債発行計画案
12月26日、2025年度国債発行計画の概要が26日、判明した。市中向けカレンダー発行は172.3兆円とし、前年当初から1.3兆円増える。写真はシンガポールで2017年6月撮影(2024 ロイター/Thomas White)
Takaya Yamaguchi
[東京 26日 ロイター] - 2025年度国債発行計画の概要が26日、判明した。市中向けカレンダー発行は172.3兆円とし、前年当初から1.3兆円増える。投資家の需要を反映して長期化戦略を見直し、脱日銀への歩みを進める。
ロイターが計画案を確認した。年限別では最長年限となる40年債と、30年債をいずれも減額する。2カ月に1度発行している40年債は1回当たりの発行額を0.5兆円とし、年間発行額を1.2兆円減らして3兆円とする。
40年債は18年度を除いて累次の増額を続けてきたが、7年ぶりの減額に傾く。1回当たりの減額幅は0.2兆円と2007年11月の導入来、最大となる。新年度入札分から減額する。
有識者らで構成する国の債務管理研究会は今年6月、当局に対し、日銀に代わる投資家の需要喚起策として発行年限の短期化を促した。市場から減額を求める声が多かった40年債に加え、次年度計画では30年債も減額する。
30年債の月次発行額は新たに0.8兆円とし、年9.6兆円発行する。年間発行額は当初比1.2兆円の減額となる。GX経済移行債の個別銘柄「クライメート・トランジション国債」は当初比0.2兆円減の年1.2兆円とする。
一方、5年債と割引短期国債、残存15.5年超39年未満の追加供給は増額となる。5年債は、月次発行額を当初比0.1兆円増の2.4兆円とし、年28.8兆円を調達する。当初比1.2兆円の増額となる。
割引短期債は年40.8兆円と当初比2.4兆円増額。流動性供給は超長期債の既発債需給を踏まえ、1回当たりの供給額を4500億円に見直す。5年超15.5年以下、1年超5年以下を含む流動性供給全体では、当初比0.3兆円増の年13.5兆円となる。
年限債のうち20年債と10年債、2年債、物価連動債の発行額は変更しない。
次年度計画では、銀行勢の保有が期待される短期金利連動の新たな変動利付債発行について「今後の発行に向けて具体的に準備」することも明記する。2年物や5年物での発行を想定し、早ければ26年度にも新規発行する。
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