CFPBが米大手3行提訴、送金アプリ詐欺で対応怠ると主張
12月20日、米消費者金融保護局(CFPB)は、個人間送金アプリ「ゼル(Zelle)」を利用した詐欺行為を巡り、米大手3銀行を提訴したと発表した。写真は、CFPB本部のロゴマーク。2020年8月、ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Andrew Kelly)
Manya Saini Pete Schroeder Niket Nishant
[20日 ロイター] - 米消費者金融保護局(CFPB)は20日、個人間送金アプリ「ゼル(Zelle)」を利用した詐欺行為を巡り、米大手3銀行を提訴したと発表した。これらの詐欺に対して適切な消費者保護措置を講じなかったとの理由だ。
訴えられたのはJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴの3行。CFPBは、ゼル経由の不正取引防止と被害者救済、制裁金支払いなどを求めている。
3行はゼル運営会社の共同保有者に含まれている。CFPBのチョプラ長官は記者団に、3行は犯罪者たちにとって絶好の稼ぎ場所を立ち上げたと非難し、詐欺師らが口座から簡単にお金を引き出せるようにした一方、消費者には不十分な保護措置や補償しか提供していないと指摘した。
CFPBによると、3行は詐欺師に犯罪の門戸を開放し、各銀行を渡り歩いて繰り返し犯行に及ぶのを許容したばかりか、詐欺を防げたかもしれない警告を無視し、事件発生後の消費者への対応を放棄したという点で、連邦政府の法規制に違反したという。
法規制では銀行は、口座がハッキングされるなどで持ち主の知らないうちに決済が行われた場合には顧客に補償する義務を負うと定められているが、銀行側は補償に応じないケースもある。
3行の顧客はゼル導入以降の7年間で8億7000万ドル余りの損害を被ったとされる。
ゼルの運営会社は「CFPBの主張は法的にも実際問題としても欠陥があり、訴訟提起のタイミングは政治的要因が働いているように見受けられる」と反論している。
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