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午後3時のドルは153円後半、3週間ぶり高値圏で底堅い

2024年12月16日(月)16時51分

 12月16日、午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の終盤からほぼ横ばいの153円後半で推移している。2022年撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

Atsuko Aoyama

[東京 16日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の終盤からほぼ横ばいの153円後半で推移している。日銀の12月利上げ見送り観測が円の重しとなる展開は変わらず、ドルは一時153.97円まで上昇、3週間ぶり高値を更新し、その後も底堅い動きが続いた。

ドルは正午前に154円乗せを試す動きとなり、3週間ぶり高値を更新した。日銀の12月利上げ見送り観測や、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを年明け以降は一時停止するとの見方などから、ドル買い/円売り圧力が強まっている。「中銀会合を待たず、早めにドルの手当てをしようという動きが出ている」(国内銀の為替セールス担当)という。

トレイダーズ証券の井口喜雄・市場部長は、債券市場が織り込む日銀の利上げ確率が「3月まで見通しても7割程度で、実施時期を市場が見極められていない」として、依然円安が進行する余地があると指摘。ドルの155円乗せが視野に入ってくるとの見方を示す。

ドルが上値を試す局面では、今後次第に介入警戒感が強まり始める可能性があるとの見方も話題となった。「おそらく口先介入が入り出すので、155円より上は攻めづらい」(あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏)という。

日銀の植田和男総裁は11月末の日本経済新聞のインタビューで、「一段の円安はリスクが大きい」との認識を示し、場合によっては政策変更で「対応しないといけなくなる」と強調した。「155円より上は、日銀も財務省も一気に発言のトーンが変わると市場はみている」(トレイダーズ証券の井口氏)という。

ユーロも161円後半まで上昇し、約3週間ぶり高値を更新した。米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめたIMM通貨先物非商業(投機)部門の取組状況によると、今月10日時点でユーロの売り持ちは4年9カ月ぶり高水準へ膨らんでおり、いったん買い戻しが入りやすくなっているという。

ドイツではきょう、シュルツ首相の信任投票が行われる。否決の公算が高く、来年2月に総選挙が行われる見通し。市場では、最近の世論調査などから「どの政党も改選後に絶対多数を確保できない」(バークレイズ)との見方が優勢で、次期政権の発足すら危ぶまれる状況下、ユーロの反発は続かないとの見方が優勢だった。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 153.64/153.69 1.0519/1.0521 161.64/161.65

午前9時現在 153.45/153.46 1.0508/1.0511 161.27/161.28

NY午後5時 153.64/153.67 1.0502/1.0503 161.41/161.44

ロイター
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