中国の銅スクラップ輸入減へ、対米貿易懸念の高まりで=専門家
トランプ次期米政権下で対中貿易摩擦が高まることが懸念される中、中国の銅スクラップ輸入が減る見通しだ。写真はE2015年12月、江西省徳興市で撮影(2024年 ロイター)
[28日 ロイター] - トランプ次期米政権下で対中貿易摩擦が高まることが懸念される中、中国の銅スクラップ輸入が減る見通しだ。複数のアナリストが明らかにした。一部の業者は、最大供給国である米国からの買い入れを既に停止している。
非鉄金属情報サービス会社、上海有色網(SMM)のアナリストは28日、通信アプリ「微信(ウィーチャット)」のアカウントに投稿したリポートで「われわれの調査によると、国内の輸入業者の大部分が、銅スクラップを米国から直接購入することを既にやめている。米国からの輸入に依存してきた大手が特にそうだ」と語った。
中国税関総署のデータによると、中国は1─10月に米国から36万1099トンの銅スクラップを輸入。銅スクラップ輸入の約5分の1を占めた。
SMMのアナリストはまた、銅スクラップの需給が既に逼迫(ひっぱく)している中で米国からの輸入が減れば、精錬銅の消費が促されると予想した。
コンサルタント会社ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスのアナリストは「米国からの供給減を完全に補う代替先を見つけるには時間がかかるため、短期的には銅相場のボラティリティーが高まる公算が大きい」と指摘した。