VW、コスト削減に人員削減と工場閉鎖は不可避=ブランド責任者
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の最高ブランド責任者を務めるトーマス・シェーファー氏は独紙ビルト・アム・ゾンタークのインタビューに応じ、40億ユーロ(42億ドル)のコスト削減への取り組みにおいて人員削減と工場閉鎖を回避できる見込みはないとの見方を表明した。写真は労組と経営側の交渉を前に集まったVWの従業員ら。11月21日 ロイター/Victoria Waldersee)
[フランクフルト 23日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の最高ブランド責任者を務めるトーマス・シェーファー氏は独紙ビルト・アム・ゾンタークのインタビューに応じ、40億ユーロ(42億ドル)のコスト削減への取り組みにおいて人員削減と工場閉鎖を回避できる見込みはないとの見方を表明した
シェーファー氏の発言は労働組合との対立をさらに深めた。労組は12月からストライキを実施する可能性をちらつかせており、現在進行中の賃金と生産能力を巡る交渉で、会社に工場閉鎖と大幅な人員削減を除外した解決策を提示するよう求めている。
同氏は「最終的に、どのような解決策でも過剰生産能力とコストの両方を削減しなくてはならない。その場しのぎの対応で先延ばしし続けることはできない。それは後々、深刻な形でわれわれを苦しめることになる」と語った。
またVWで想定される人員削減の大半は、通常の自然削減と早期退職で行われる可能性を示したが、それでは不十分だと付け加えた。さらに事業再編に長時間かけることは意味がなく、競合勢から取り残されないよう、今後3─4年以内に実施すべきだと述べた。
人員削減と工場閉鎖のほか、VWはVW AG部門の従業員に10%の減給も求めている。
シェーファー氏は、現時点で欧州の需要が大幅に回復する見込みはないとし、同社のドイツ拠点における人件費は、同業他社や南欧・東欧の自社拠点と比べて約2倍も高いと指摘した。