中国アリババ、国内外EC事業を単一部門に統合 競争激化に対応
11月21日、中国の電子商取引(EC)最大手アリババグループは、国内外のECサイト運営を単一の事業部門に集約し、最高責任者を1人体制とする事業再編に乗り出すことを明らかにした。写真はアリババのロゴ。北京で2021年8月撮影(2024 ロイター/Tingshu Wang)
Casey Hall
[上海 21日 ロイター] - 中国の電子商取引(EC)最大手アリババグループは21日、国内外のECサイト運営を単一の事業部門に集約し、最高責任者を1人体制とする事業再編に乗り出すことを明らかにした。
EC市場の競争激化に伴う販売シェア低下に歯止めをかけ、成長軌道を確保するのが狙い。責任者1人体制の導入などは初めての取り組みで、同社は一連の再編方針を証券管理当局に同日提出した書面で届け出た。
新事業部名は「アリババECビジネスグループ」となる見通し。運営を集約するサイトは「淘宝(タオバオ)」と「天猫(Tモール)」、「アリババ国際デジタル商取引」(AIDC)の傘下サイト。
AIDCグループの傘下には現在、越境ECサイトの「アリエクスプレス」や法人向け卸売「アリババ・ドット・コム」のほか、東南アジアからトルコまで地域ごとに運営されるサイトが存在する。
新事業部の統括役には、AIDCの最高経営責任者(CEO)で、かつてTモール責任者を務めた蒋凡氏が就き、蒋氏はアリババグループCEOの呉泳銘(エディー・ウー)氏に業務報告を行う。
呉氏はイントラネットで従業員向けに書簡を発表し、「将来の競争環境を決定付けるのは、グローバルサプライチェーン能力に加え、(商品受注から発送、返品までの一連の業務管理である)フルフィルメント能力、カスタマーサービス能力だ」と鼓舞した。
アリババは新規参入者の低価格攻勢にさらされており、経営を取り巻く環境は厳しい。PDDホールディングス(HD)が国内向け「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」や国外向け「Temu(テム)」を展開しているほか、字節跳動(バイトダンス)は国内向けに「抖音(ドゥイン)」、国際展開で「TikTok(ティックトック)」を手がけている。
アリババは昨年、創業以来24年ぶりとなる大がかりな経営改革を行い、6つの事業部門に分割していた。創業者の共同創業者、馬雲(ジャック・マー)氏は今年4月、そうした取り組みに支持を表明し、過去の自身の判断に誤りがあったと認めていた。