車載電池のスウェーデン・ノースボルト、米で破産申請
電気自動車(EV)向け電池を手がけるスウェーデンの新興企業ノースボルトは11月21日、米連邦破産法11条の適用を申請したと発表した。写真はスウェーデンのシェレフテオにある同社工場。提供写真(2024年 ロイター)
Dietrich Knauth
[21日 ロイター] - 電気自動車(EV)向け電池を手がけるスウェーデンの新興企業ノースボルトは21日、米連邦破産法11条の適用を申請したと発表した。
ノースボルトによると、現在手元にはおよそ3000万ドルと約1週間分の運転資金しか残っていない。負債総額は58億ドル。破産法申請後も事業を継続し、来年第1・四半期までに再建を果たす見通しという。
このわずか数カ月でノースボルトは生産面の問題や主要顧客の喪失、資金不足などに悩まされて経営環境が急激に悪化し、欧州製EV電池の最有力メーカーという地位から一気に存続が危ぶまれる状態に転落した。
欧州内に広がっていた、ノースボルトが西側自動車メーカーの中国製電池依存を減らす切り札になるとの期待もしぼんだ格好だ。
ただ破産法申請によって新たに2億4500万ドルの新規資金調達が可能となる。株主で最大口顧客のスウェーデンのトラックメーカー、スカニアは21日、ノースボルトに電池製造支援のため1億ドルを融資すると明らかにした。
ノースボルトのトム・ジョンストン暫定会長は「破産申請決定により、ノースボルトは欧州の電池内製化の拠点を築くという任務を続けられる」と述べ、再建策の一環として既存の債権者、株主、顧客や戦略的投資家らからの新たな出資提案を検討すると説明した。