半導体大手キオクシア、22日に東証が上場承認 時価総額7500億円程度=関係者
11月21日、半導体大手キオクシアホールディングスが計画している新規株式公開(IPO)について、22日に東京証券取引所から上場承認が下りる見通しであることが分かった。写真は同社のロゴ。岩手県北上市で5日撮影(2024 ロイター/Sam Nussey)
Miho Uranaka Sam Nussey
[東京 21日 ロイター] - 半導体大手キオクシアホールディングスが計画している新規株式公開(IPO)について、22日に東京証券取引所から上場承認が下りる見通しであることが分かった。想定時価総額は7500億円程度で、順調に行けば12月中に上場する。複数の関係者が明らかにした。
キオクシアは今月8日、日本で新たに導入された上場方式を初めて活用すると公表し、東証からの承認前に投資家の需要を探ってきた。上場予定時期を24年12月から25年6月までとして幅を持たせていたが、投資家の反応を踏まえて12月の上場が可能と判断した。同関係者らによると、過半数の株式を保有する米投資ファンドのベインキャピタルなどが一部を売り出す見通し。
キオクシアとベインはコメントを控えた。東証を運営する日本取引所グループは「個別の銘柄についてはコメントしない」とした。
同関係者らによると、時価総額は7500億円を想定している。投資家の需要によっては最終的な価格次第で変動する可能性がある。もともと目指していた10月の上場を取りやめた際は、目標の時価総額1.5兆円に対し、投資家との面談で半分程度の額を求められたほか、株価純資産倍率(PBR)1倍割れが妥当との声も出ていた。面談をした夏場に比べ、現在は株式市場に対する見方が改善しているという。
キオクシアは北上工場(岩手県北上市)の新棟を25年秋に稼働する計画で、先端品の半導体開発・製造には多額の資金が必要となる。上場することで銀行借り入れ以外にも資金調達手段を広げたい考え。
キオクシアは今年10月のIPOを計画していたが、市況の悪化で東証からの承認前に延期を決めた。4年前は、承認後にIPOを取りやめた経緯がある。当時の時価総額は1.7兆円だった。
(浦中美穂、Sam Nussey 取材協力:平田紀之 編集:久保信博)