フォードが欧州で14%人員削減へ、EV需要低迷など響く
11月20日、米自動車大手フォード・モーターは、欧州地域の従業員の約14%を削減すると発表した。写真はケルンの工場。2023年6月撮影(2024年 ロイター/Jana Rodenbusch)
Nick Carey
[ロンドン/ケルン 20日 ロイター] - 米自動車大手フォード・モーターは20日、欧州地域の従業員の約14%を削減すると発表した。電気自動車(EV)需要低迷に伴う赤字や少ない政府補助、中国メーカーとの競争などを理由としている。
削減するのは4000人で、全世界の従業員のおよそ2.3%に相当。最も影響が大きいのはドイツと英国でそれぞれ2900人と800人を減らす予定となっている。またケルン工場では「エクスプローラー」と電動の「カプリ」の生産を縮小する。
フォードの欧州バイスプレジデント、ピーター・ゴッドセル氏は記者団に「EV需要はわれわれが想定していたより弱まっており、営業コストを巡る課題を抱え続けている」と説明した上で、同社として「事業再構築のため断固とした行動」が必要になっており、今回の人員削減が問題解決につながると期待しつつも、市場環境が悪化すればさらなる措置を講じる可能性は否定できないと付け加えた。
労組側は、別の対応策があるとして人員削減計画を受け入れない構えで、今後の事業方針について欧州部門の経営陣と話し合う機会を求めている。
一方、フォードは特にドイツ政府に対し、EV移行促進に向けてインセンティブや充電設備の拡充を要望した。