中国人民銀、最優遇貸出金利据え置き 予想通り
11月20日、中国人民銀行(中央銀行)は、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を予想通り据え置いた。写真は北京で2018年9月撮影(2024 ロイター/Jason Lee)
[上海 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を予想通り据え置いた。
1年物LPRは3.1%に、5年物LPRは3.6%に、それぞれ据え置いた。
ロイターが市場参加者28人を対象に今週実施した調査では、全員が据え置きを予想していた。
中国の新規・既存融資は主に1年物LPRに基づいており、5年物LPRは住宅ローン金利に影響する。
中国当局は9月下旬以降、金融緩和から財政措置、不動産市場支援に至る一連の景気刺激策を発表してきた。
だが、トランプ次期米大統領の経済政策や対中関税引き上げ懸念に伴う元安によって、中国の金融緩和は当面制限される可能性がある。アナリストは、トランプ氏が来年1月に大統領に就任し、政策意図
がさらに明確になるのを中国当局は待つかもしれないとみる。
第一次トランプ政権下の2018年、米国の対中関税第一弾で元は対ドルで約5%下落、貿易摩擦がエスカレートした1年後にはさらに1.5%下落した。
今月5日の米大統領選以降、元は対ドルで約1.8%下落している。
DBSのアナリストは今週発表したメモで、「中国経済は、不動産市場から地方財政のひずみ、持続的な総需要の低迷から貿易・ハイテク戦争の激化まで、リスクに直面し続けるだろう」と指摘。12月に1年物LPRを10ベーシスポイント(bp)引き下げ、来年さらに50bp引き下げると予想した。