日産、半年で業績改善の兆しなければ信用力に下方圧力=S&P
11月8日、S&Pグローバル・レーティングは、日産自動車について業績改善の兆しが今後6カ月程度でみられない場合、信用力への下方圧力が強まるとの見解を示した。ニューヨークのマンハッタンで2023年4月撮影(2024年 ロイター/David 'Dee' Delgado)
Shinichi Uchida
[東京 8日 ロイター] - S&Pグローバル・レーティングは8日、日産自動車について業績改善の兆しが今後6カ月程度でみられない場合、信用力への下方圧力が強まるとの見解を示した。日産の現在の長期格付けはBBプラス、アウトルックは安定的。
日産は7日、米国や中国市場の販売不振で悪化した収益構造を改善するため、世界で生産能力を20%、人員を9000人削減すると発表。費用の算定が困難とし、3000億円を予想していた2025年3月期の純損益予想を取り下げた。営業利益の見通しは7割引き下げた。
S&Pは日産の業績が改善基調に転じるタイミングは、S&Pの従来想定より遅れるとみている。日産が計画する生産能力や人員削減を通じたコスト削減策は、日産の収益性を高める一方、構造改革費用が巨額となる場合は一時的な業績下押し要因にもなると指摘。健全な財務基盤は引き続き格付けの下支え要因だが、その余力は従来より低下する可能性が高まっているとの見方を示した。