「トランプトレード」広がる、勝利宣言や共和の上院奪還で
11月6日、金融市場では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利宣言を行ったことや上院選で共和党が過半数を奪還したことを受けて、トランプ氏の返り咲きを見込む「トランプ・トレード」が広がっている。写真はニューヨーク証券取引所で9月18日撮影(2024年 ロイター/Andrew Kelly)
Suzanne McGee Carolina Mandl Cynthia Kim
[ニューヨーク/ソウル 6日 ロイター] - 金融市場では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利宣言を行ったことや上院選で共和党が過半数を奪還したことを受けて、トランプ氏の返り咲きを見込む「トランプ・トレード」が広がっている。
米国株先物は最高値を更新。ドルと米国債利回りも急上昇し、仮想通貨ビットコインは初めて7万5000ドルを突破した。
Eburyの市場戦略責任者、マシュー・ライアン氏は「市場はトランプ氏が余裕で勝利するだけでなく、共和党が議会を制するシナリオにも備えている」と指摘。
バンテージ・ポイント・アセット・マネジメント(シンガポール)のニック・フェレス最高投資責任者は、金利上昇と経済成長加速を予想し、アジア太平洋地域の銀行株に買いを入れていることを明らかにした。
日本やオーストラリアの株式市場では銀行株が買われ、米10年国債利回りは4.5%を視野に入れる展開となった。
シティ・ウエルス(香港)のアジア投資戦略責任者、ケン・ペン氏は「(市場の値動きの多くは)トランプ氏が減税を実施するか、少なくとも税率を低めに維持するとの見方に基づいている。共和党が(大統領選と議会選で)全勝する可能性が高まっており、追加減税の可能性もある」とし「規制緩和も、経済と市場にとって大きなプラスだ。特に金融、エネルギー、ハイテクセクターが恩恵を受ける」と述べた。
<関税引き上げへの懸念>
一方、関税引き上げに対する懸念を背景にメキシコペソは3%下落し、約2年ぶりの安値を記録した。
ユーロも1日としては2020年以来の大幅下落となる勢い。ドイツでは国内経済が急減速するとの見方で国債利回りが1日としては今年1月以来最大の低下を記録している。
香港株式市場は2.7%急落。輸出関連株が売られた。
イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)のポートフォリオマネジャー、ロン・レン・ゴー氏は「市場のボラティリティーが高まる可能性が高い」とし、貿易紛争のリスクがあり、海外勢が中国関連リスクを一段と警戒するだろうと述べた。
トランプ氏を支持する米実業家イーロン・マスク氏率いる米テスラははフランクフルト市場で株価が急騰。
トランプ氏が立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」を運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)も10%値上がりした。