インフレ目標の持続的達成には「まだ時間必要」=日銀総裁
日銀の植田和男総裁(写真)は23日、基調的なインフレ率は緩やかに上昇しているとした上で、インフレ目標を持続的に達成するには「まだ時間がかかる」と述べた。写真は国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会で23日撮影(2024年 ロイター/Kaylee Greenlee Beal)
Leika Kihara
[ワシントン 23日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は23日、基調的なインフレ率は緩やかに上昇しているとした上で、インフレ目標を持続的に達成するには「まだ時間がかかる」と述べた。訪問先のワシントンでパネルに出席した。
植田総裁は、不確実性が大きい時は政策変更を慎重に段階的に進めたいとしながらも、金利が非常に長期間にわたって低水準にとどまるという期待を抱かせると投機的なポジションが大量に蓄積される可能性があるとの問題点を指摘。円キャリートレードの過剰な積み上がりを抑制するため、金融政策の基本戦略を明確にすることが非常に重要だと述べた。
他国の金融政策の変更が日本経済やインフレに重大な影響を及ぼすことがあるため、欧米の状況を注意深く見守っているとし、中でもここ数カ月は米国経済に何が起こるのかを懸念してきたと明らかにした。
さらに、夜も眠れないほど悩んでいることは何かと問われ、「今後、政策の正常化の規模はどの程度が適切か、合計利上げ幅を時間軸でどのように配分するのが最善かを考えている」と答えた。