中国、24年成長目標の達成に自信 財政支出加速へ=発改委主任
10月8日、国家発展改革委員会(発改委)の鄭柵潔主任は、北京での会見で、通年の経済および社会的発展目標の達成に「十分自信がある」と述べた。写真は北京の人民大会堂に翻る中国の旗。昨年10月撮影(2024 ロイター/Edgar Su)
Kevin Yao Joe Cash
[北京 8日 ロイター] - 中国国家発展改革委員会(発改委)の鄭柵潔主任は8日、北京での会見で、通年の経済および社会的発展目標の達成に「十分自信がある」と述べた。2025年の予算の一部は今年のプロジェクト支援に充てられると明らかにした。
9月下旬以降に当局が発表した一連の景気刺激策を巡る期待から中国株式市場は上昇しており、国慶節(建国記念日)の大型連休明け8日には主要指数が2年ぶりの高値を付けた。
投資家やエコノミストは、市場の楽観を下支えする財政面でのさらなる政策支援を期待している。
鄭氏は、中国経済はおおむね安定しているが、内外の環境はより複雑化していると指摘。「国際市場は不安定で、世界的に貿易保護主義が強まり、不確実で不安定な要素が増えている。これらは貿易、投資、金融などを通じてわが国に悪影響を及ぼすだろう」と述べた。国内経済への下押し圧力も強まっているとした。
地方政府を支援するため、来年の中央政府予算から1000億元(141億2000万ドル)を支出し、さらに今年末までに1000億元を主要な投資プロジェクトに充てると表明。
財政支出を加速させるとし、マクロ経済政策を強化するために「全ての関係者がより強力な努力を続けるべきだ」と語った。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットの中国担当プリンシパルエコノミスト、ユエ・スー氏は「政府が今年から来年にかけて、実体経済を活性化させ、銀行の資本を増強し、不動産市場を安定させるため、1兆─3兆元の追加財政支出を実施するとわれわれは予想している」と語った。
「これは来年予定されている特別長期債に伴う投資とともに、主に2025年の経済成長に影響を与えると見込まれる」という。
政府は今年の成長率目標を5%前後に設定したが、経済指標は第2・四半期以降、成長の勢いが弱まっていることを示している。
鄭氏は、不十分な内需に対処し、消費と投資を刺激するため、人々の生活を向上させることに焦点を当てると述べた。
発改委の劉蘇社副主任は、今年の政府投資6兆元の大部分は特定プロジェクトに割り当てられ、9月までに発行された地方政府特別債の90%がプロジェクト建設に使用されたと明らかにした。
趙辰キン副主任も同じ会見で、中国の経済成長は第1・四半期から第3・四半期にかけて「おおむね安定」していると述べた。