ニュース速報
ビジネス

中国株の急上昇で空売り筋が69億ドルの評価損=S3

2024年10月07日(月)12時10分

 10月7日、中国人民銀行(中央銀行)が発表した幅広い景気刺激策が好感されて中国関連株が急上昇したのに伴い、米国で上場する中国株の空売り(信用売り)をしていた投資家が9月13日─10月1日に計約69億ドルの評価損を出したことが調査会社S3パートナーズのデータで分かった。写真は株価情報を映し出すディスプレイ。中国の上海で8月撮影(2024 ロイター/Nicoco Chan)

Lisa Pauline Mattackal

[4日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が発表した幅広い景気刺激策が好感されて中国関連株が急上昇したのに伴い、米国で上場する中国株の空売り(信用売り)をしていた投資家が9月13日─10月1日に計約69億ドルの評価損を出したことが調査会社S3パートナーズのデータで分かった。

人民銀が9月24日に景気刺激策を発表してから中国関連株と上場投資信託は急騰し、S3の調査によるといずれも中国の電子商取引(EC)大手のアリババ・グループ・ホールディング、PDDホールディングス、京東商城(JDドットコム)は9月13日から今月3日の終値までにそれぞれ33.8%、66.8%、67.9%上昇した。

空売りによる評価損はアリババだけでも23億ドルを超えた。

中国市場への投資意欲が低迷していた中で、今年に入ってから中国株の空売りは人気が続いていた。

米ヘッジファンドのアナカパ・アドバイザーズのフィル・ペックソック最高経営責任者(CEO)は「中国は多くの問題を抱えているため、誰もが空売りをしている状態だった。彼らはパニックに陥り、それが大幅な上昇につながった」と指摘した。

一方、S3は空売り筋が損失を出したにもかかわらず、選択的に空売りの解消に動いただけだったと説明した。

景気刺激策が発表された後、上海と深センの上場株で構成されるCSI300指数は9月24日から同月30日にかけて25%弱も上昇した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

8月景気動向一致指数、前月比3.7ポイント低下=内

ワールド

欧州17カ国、EUに不法移民送還規則の厳格化要請

ビジネス

仏大統領、NYで米金融企業トップらと財政問題で意見

ワールド

インタビュー:米民主党、アラブ系有権者の票失いつつ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大谷の偉業
特集:大谷の偉業
2024年10月 8日号(10/ 1発売)

ドジャース地区優勝と初の「50-50」を達成した大谷翔平をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティアラが織りなす「感傷的な物語」
  • 2
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」の中国が世界から見捨てられる
  • 3
    新NISAで人気「オルカン」の、実は高いリスク。投資初心者こそ「債券」を買うべき理由
  • 4
    2匹の巨大ヘビが激しく闘う様子を撮影...意外な「決…
  • 5
    キャサリン妃も着用したティアラをソフィー妃も...「…
  • 6
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 7
    常勝軍団の家族秘話...大谷翔平のチームメイトたちが…
  • 8
    なぜ腰を振る? 際どいビキニで汗を流す映像を公開し…
  • 9
    「核兵器を除く世界最強の爆弾」 ハルキウ州での「巨…
  • 10
    羽生結弦がいま「能登に伝えたい」思い...被災地支援…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 3
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティアラが織りなす「感傷的な物語」
  • 4
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」…
  • 5
    アラスカ上空でロシア軍機がF16の後方死角からパッシ…
  • 6
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 7
    【独占インタビュー】ロバーツ監督が目撃、大谷翔平…
  • 8
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 9
    NewJeansミンジが涙目 夢をかなえた彼女を待ってい…
  • 10
    羽生結弦がいま「能登に伝えたい」思い...被災地支援…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 3
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 4
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 5
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 8
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 9
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 10
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中