ニュース速報
ビジネス

中国不動産オフショア債に投資家回帰、大型経済対策で先行きに明るさ

2024年10月04日(金)14時11分

10月4日、中国の不動産会社が発行したオフショア社債の取引に、海外や中国の一部機関投資家が再び参入しつつある。写真は上海で2月撮影(2024年 ロイター/Xihao Jiang)

Xie Yu

[香港 4日 ロイター] - 中国の不動産会社が発行したオフショア社債の取引に、海外や中国の一部機関投資家が再び参入しつつある。経済成長てこ入れと不動産セクター立て直しに向けた政府の取り組みが加速し、先行きが明るくなったとみられているためだ。

1日に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後で最も踏み込んだ景気刺激策が発表されると、投資家が市場に戻り始めた。

アナリストの間では、近いうちに不動産セクターが持ち直すかどうか見方は分かれている。

それでも北京Gキャピタル・プライベート・ファンド・マネジメント・センターのリー・ジェン会長はここ数カ月で初めて「数千万元」相当の不動産社債の買い注文を入れたと明かした。

リー氏は「われわれは不動産セクターを復活させる(政府の)決意を目の当たりにした」と話す。

不動産社債の中では、デフォルト(債務不履行)を起こしていない万科企業や龍湖集団などの値上がりが目立った。

デュレーション・ファイナンスのデータによると、万科企業の2027年11月償還ドル建て債は1日の刺激策発表前は額面1ドル当たり0.49ドルだったが、3日には一時0.70ドルに上昇。龍湖集団の27年4月償還債は同じ期間に0.75ドルから0.84ドルに上がった。

デフォルトに陥った碧桂園のドル建て債も約0.02ドル値上がりした。

香港に拠点を置くヘッジファンド、エンハンスト・インベストメント・プロダクツのジェーソン・ジアン最高投資責任者は、万科企業の27年償還ドル建て債の保有を増やしていると明かした上で「株式の方が反発余地は大きくなる可能性があるが、万科の社債はより安全な利幅を提供してくれる」と説明。7日までの国慶節の大型連休後に発表される住宅販売統計が、市場の次の方向を決める要因になるかもしれないとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

レバノンのシリア国境付近に空爆、避難路寸断=運輸相

ビジネス

日経平均は小幅続伸、米雇用統計控え上値重い

ビジネス

午後3時のドルは146円近辺へ下落、米雇用統計控え

ワールド

韓国軍事パレードは「茶番劇」、金総書記の妹・与正氏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大谷の偉業
特集:大谷の偉業
2024年10月 8日号(10/ 1発売)

ドジャース地区優勝と初の「50-50」を達成した大谷翔平をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    【独占インタビュー】ロバーツ監督が目撃、大谷翔平が「花開く」瞬間...「彼はロボットではなくチームメイト」
  • 3
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 4
    サッカーユニから胸を「まる出し」、下は穿かず...人…
  • 5
    8日間のはずが8カ月に...宇宙飛行士の「足止め騒動」…
  • 6
    年収600万円、消費者金融の仕事は悪くなかったが、債…
  • 7
    原点は「ナチスの純血思想」...オーストリアで自由党…
  • 8
    NewJeansミンジが涙目 夢をかなえた彼女を待ってい…
  • 9
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 10
    アラスカ上空でロシア軍機がF16の後方死角からパッシ…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 3
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ日本の伝統文化? カギは大手メディアが仕掛ける「伝検」
  • 4
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 5
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 6
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 7
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 8
    【クイズ】「バッハ(Bach)」はドイツ語でどういう…
  • 9
    【独占インタビュー】ロバーツ監督が目撃、大谷翔平…
  • 10
    南洋のシャチが、強烈な一撃でイルカを「空中に弾き…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 3
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 4
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 5
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 6
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 9
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 10
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中