ユーロ圏インフレ率、ECB目標に低下の公算=シュナーベル専務理事
欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事(写真)は2日、ユーロ圏のインフレ率はECBが目標とする2%に向けて低下する可能性が高まっていると述べた。2019年11月撮影(2024年 ロイター/Ralph Orlowski)
[フランクフルト 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は2日、ユーロ圏のインフレ率はECBが目標とする2%に向けて低下する可能性が高まっていると述べた。
タカ派として知られるシュナーベル氏がこれまでの物価上昇抑制の困難さに関する警告を後退させたことで、市場で利下げ観測が強まる可能性がある。
シュナーベル氏はフライブルクで行った講演で「成長に対する向かい風を無視することはできない」とし、「労働需要の軟化の兆しとディスインフレの一段の進展を踏まえると、サービス価格と賃金の上昇が続いているにもかかわらず、インフレ率が持続的に目標とする2%に適時に戻る可能性が高まっている」と述べた。
同時に、欧州の経済問題は根が深いため、ECBの利下げのみで問題を解決することはできないとも指摘。「金融政策は万能薬ではない」とも述べた。
シュナーベル氏とは対照的に、センテノ・ポルトガル中銀総裁は、インフレ率がECBの目標を下回るリスクがあると指摘。「インフレ率が目標を下回り、経済成長が抑制される新たなリスクに直面している」と述べた。
センテノ氏はハト派として知られる。