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米雇用、8月14.2万人増で予想下回る、失業率は4.2%に低下

2024年09月07日(土)03時59分

 米労働省が6日発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増で予想を下回った。ただ失業率は4.2%で前月の4.3%から小幅低下し、労働市場の減速が引き続き秩序だったものであることを示唆した。ニューヨークで2021年9月撮影(2024年 ロイター/Andrew Kelly)

Lucia Mutikani

[ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増で予想を下回った。ただ失業率は4.2%で前月の4.3%から小幅低下した。労働市場の減速が引き続き秩序だったものであることを示唆したことで、月内の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げは正当化されない可能性がある。    

ロイターがまとめたエコノミスト予想は非農業部門雇用者数が16万人増、失業率が4.2%だった。

7月の非農業部門雇用者数は11万4000人増から8万9000人増に下方改定され、6・7月分の雇用者数は計8万6000人減少した。

LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「労働市場は緩やかなペースで減速している」とし、「企業は引き続き雇用者を増やしているが、やみくもにではない。米連邦準備理事会(FRB)はおそらく0.25%ポイントの利下げを実施し、年内残りの2回の会合ではより積極的に動く余地を確保する公算が大きい」と述べた。 

8月の雇用者数は市場予想よりも低めに発表され、その後上方改定される傾向がある。過去13年間中10年、上方改定されている。

業種別では、建設が3万4000人増で、全体の伸びを主導。医療関連は3万1000人増加したものの、伸びは鈍化し、過去12カ月の月間の伸び平均である6万人の約半分程度にとどまった。

社会扶助は1万3000人増加したものの、過去1年間の平均月間増加数の2万1000人を下回った。

金融、レジャー・接客も増加、政府も2万4000人増加した。一方、製造業は2万4000人減少。小売業でも1万1100人減少した。

雇用増を報告した業種は全体の53.2%と、7月の47.8%から増加した。

週平均労働時間は34.3時間。米南部テキサス州を襲ったハリケーン「ベリル」の影響を受けた7月は34.2時間だった。

時間当たり平均賃金は前月比0.4%上昇、前年比3.8%上昇と、それぞれ前月の0.2%上昇、3.6%上昇から伸びが加速し、堅調な賃金の伸びが引き続き消費支出を通じ経済を支えていることがうかがわせた。

CMEのフェドウォッチによると、金融市場では一時、今月17─18日のFOMCで0.50%ポイントの利下げが実施される確率が50%超に上昇したものの、その後約43%となった。0.25%ポイント利下げの確率は約57%。

FWDBONDS(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「経済は崩壊しておらず、インフレが沈静化する一方で経済は成長を続けるというソフトランディング(軟着陸)のシナリオは今のところ維持されている」と述べた。

ロイター
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