トヨタがEV電池生産増強、パナもスバルと新工場 経産省支援
Maki Shiraki
[東京 6日 ロイター] - トヨタ自動車はは6日、電気自動車(EV)用次世代電池の工場を福岡県に新設し、兵庫県にある既存工場の生産能力を拡大すると発表した。パナソニックホールディングス傘下のパナソニックエナジーも同日、SUBARU向けにEV用を中心とする電池の工場を群馬県大泉町に新設すると発表。パナソニックはマツダ向けの電池供給でも、国内2工場の生産能力を増強する。いずれも経済産業省の補助金を受ける。EV市場は減速傾向だが、本格的な需要拡大期に備え、各社とも電池の生産体制を整える。
トヨタは福岡県苅田町に新工場を建設し、2028年から生産を開始する予定。新工場の建設・運営は電池生産子会社のプライムアースEVエナジー(PEVE)が担う。兵庫県では、パナソニックと共同出資する電池生産子会社のプライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)の姫路工場(兵庫県姫路市)で新ラインを設置し、26年11月から生産を始める計画。
トヨタに対し経産省が認可した計画には、新工場と姫路工場での増産のほか、全固体電池の開発や生産も含まれている。事業総額は約2450億円で、経産省は856億円を助成する。助成対象の生産能力は年9GWh(ギガワット時)。トヨタは27年から28年に全固体電池の実用化を目指す方針を公表しているが、生産の場所や規模などは今回明らかにしていない。
トヨタは足元での市場減速を考慮し、26年のEV世界生産は100万台程度とする方針に見直したが、EVを中心に同年に150万台、30年には350万台を世界で販売できるよう生産の構えを進めている。
パナソニックのSUBARU(スバル)向け電池新工場の投資額は約4630億円。両社の分担額は非公表だが、経済産業省から最大約1564億円の助成を受ける。スバルが建屋、パナソニックが生産設備に投資し、パナソニックが新工場の運営を担う。新工場の生産容量は30年末までに年16GWhを予定。パナソニックの住之江工場からもスバル向けに電池を供給し、国内2拠点を合わせた電池の生産容量は30年末までに年20GWhを計画する。スバルは30年に世界販売120万台の50%をEVにする目標を掲げている。
マツダ向け電池については、パナソニックが約833億円を投じて27年以降に住之江(大阪市住之江区)・貝塚(大阪府貝塚市)の両工場で円筒形リチウムイオン電池セルを生産し、マツダでモジュール・パック化する予定。マツダ向けとしてのパナソニック国内拠点の生産能力は30年までに年10GWhを計画する。マツダ向けを中心とする電池の生産能力増強に対し、経産省から最大約283憶円の助成を受ける。