米KKR、富士ソフトへのTOBを5日開始 買付価格変更せず
[東京 5日 ロイター] - 米投資ファンドのKKRは4日、買収を計画している富士ソフトへの株式公開買い付け(TOB)を5日に開始すると発表した。買い付け期間は10月21日まで。買い付け価格は1株8800円のまま変更ない。もともと9月中旬の開始を目指すとしていた。
富士ソフトを巡っては、米ベインキャピタルが法的拘束力ある買収提案を10月に提出すると3日に発表。ベインによると、同社は富士ソフトに株式非公開化を複数回提案しており、7月26日付で提示したTOB価格はKKRの1株8800円を5%程度上回っていた。富士ソフトの賛同意見表明などを条件に、11月以降にTOBを開始するとしている。
4日の東京証券取引所で富士ソフト株は買われ、前営業日比7.36%高の9630円で引けた。
富士ソフトは4日の取締役会で、あらためてKKRによる公開買い付けに賛同の意見を表明するとともに、株主に公開買い付けへの応募を推奨することを決議した。4日時点でも、実現可能性の点でKKRによる取引がベインキャピタルによる提案を上回るとの評価に変更はないことなどから、KKRの公開買い付けに関する意見を変更する要因はないと判断したという。
一方、ベインキャピタルから法的拘束力のある提案がなされた場合は、慎重かつ真摯に検討を行う予定だとしている。