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債券市場の機能度DI、8月はマイナス23 市場波乱の影響軽微=日銀

2024年09月02日(月)17時52分

 9月2日、日銀が発表した「債券市場サーベイ」の8月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス23だった。写真は昨年1月、日銀本店前で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Takahiko Wada

[東京 2日 ロイター] - 日銀が2日発表した「債券市場サーベイ」の8月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス23だった。前回5月調査(マイナス24)から小幅に持ち直し、6回連続で改善した。マイナス圏ながら、2022年2月調査以来の高い水準が続いている。調査期間中は米景気減速懸念などから各市場でリスク回避姿勢が急速に強まったが、DIへの影響は軽微にとどまった。

調査期間は8月1─7日。日銀の国債売買オペ先や大手機関投資家など72社を対象に調査した。

日銀の担当者によると、リスク回避によりビッド・アスク・スプレッド(最も高い買値と最も低い売値の差)が拡大し市場機能度が低下したとの声はあったものの、多くの企業は「8月入り後の動きは一時的ではないか。このタイミングで(市場機能度の)判断を変えるようなことではない」と回答した。

7月末の金融政策決定会合で決めた国債買い入れ減額計画が市場機能に与えた影響については、調査期間が計画の決定直後であることや減額が最初はそこまで大きくなかったことから「足元の評価を変えるほどの変化が生じているわけではない」といった声があった。また、8月に入ってからのリスク回避ムードの高まりで「減額の影響についての評価は難しい」との声も出ていたという。

機能度判断DIは機能度が「高い」と答えた割合から「低い」と答えた割合を差し引いた数字で、マイナスの数字が大きいほど市場機能が低下していると判断している市場参加者が多いことを意味する。

<金利見通しは上方修正>

金利の見通しは総じて上方修正された。10年債利回りの中央値は、2024年度末で1.15%(前回は1.10%)、25年度末は1.25%(同1.20%)、26年度末は1.35%(同1.25%)となった。

20年債利回りはそれぞれ1.90%(同1.90%)、2.00%(同1.90%)、2.00%(同1.95%)。30年債利回りは2.20%(同2.10%)、2.25%(同2.18%)、2.30%(同2.20%)となった。

ロイター
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