ノボノルディスク、独で肥満治療薬「ウゴービ」発売

　デンマークの製薬大手ノボノルディスクは７月２９日、欧州の主要市場としては初めてドイツで肥満治療薬「ウゴービ」の販売を開始した。写真は同社のロゴ。２０１６年４月、フランスのシャルトルにある工場で撮影（２０２３年　ロイター/Guillaume Souvant）

［フランクフルト　２９日　ロイター］ - デンマークの製薬大手ノボノルディスクは２９日、欧州の主要市場としては初めてドイツで肥満治療薬「ウゴービ」の販売を開始した。

ウゴービは既に米国では販売されているが、 欧州での販売はこれまでノルウェーとデンマークの小さな市場に限られていた。

ドイツ国民の約９０％が加入する公的医療保険は、法律で減量薬への保険適用が禁じられている。同国の医師と患者はロイターに対し、ウゴービへの旺盛な需要を見込んでいると語った。同薬は週１回注射で投与する。費用は１カ月１７０ユーロ（１９０ドル）からで、治療に伴い投与量が増えると３００ユーロを超えるが、多くの患者がこの負担を覚悟しているという。

患者支援団体と医師らはウゴービの発売を歓迎している。ドイツでは成人の１８．５％が肥満で、欧州連合（ＥＵ）平均の１６％を上回る。

ノボノルディスクの株価は、同薬が発売されてからの２年間で２倍超上昇し、時価総額は欧州で仏高級ブランドＬＶＭＨ（モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン）に次ぐ第２位に躍り出ている。