ニュース速報

ビジネス

FRBのインフレ目標見直しに「多くの支持」=米セントルイス連銀総裁

2018年05月17日(木)09時16分

 5月16日、米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標の見直しについて当局者内で「多くの支持」があると明らかにした。2015年撮影(2018年 ロイター/Lucas Jackson )

[16日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は16日、米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標の見直しについて当局者内で「多くの支持」があると明らかにした。また、見直しの結果、FRBの現行のアプローチがほとんど変わらなくても、良い事例になるとの考えを示した。

同連銀主催の講演に先立ち、記者団に述べた。総裁は、FRBの2%のインフレ目標の変更を巡り、「少なくとも議論が望まれている」と指摘。「議題として取り上げられ、話し合われるべき課題はある。(議論の結果)すでにある枠組みを再確認することになったとしても、それはベストプラクティスだと思う」と述べた。

また、こうした見直しは、米経済が安定的に成長し、雇用水準も堅調な間に行うことが最善との考えを示した。

FRB内では、次期ニューヨーク連銀総裁に決まったサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁を含め、複数の地区連銀総裁がインフレ目標の包括的な見直しの必要性を指摘している。

見直しが行われた場合、インフレ目標に幅を持たせる案や、物価水準目標の導入などが検討されることになる。物価水準目標導入案では、インフレが目標を下回る期間が続いた場合に同程度のオーバーシュートを容認することで、全体として物価水準を安定的に保つ。

これらの選択肢の中で明確な有力案はなく、見直しを支持する当局者の一部は、現行制度の変更には利点より問題の方が多い可能性があるとも指摘している。

ただ、ウィリアムズ総裁など複数の当局者は、カナダ中銀が採用している5年おきのインフレ目標見直しを支持する見方を示唆している。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、米ハイテク株安や円高を嫌

ワールド

英国が対ロシア制裁を発表、「ウクライナ戦争初期以来

ワールド

中国は「最も手ごわい」ライバル、米科学技術政策局長

ワールド

アップル、米に今後4年で5000億ドル投資 研究開
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 2
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映像...嬉しそうな姿に感動する人が続出
  • 3
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 4
    見逃さないで...犬があなたを愛している「11のサイン…
  • 5
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映…
  • 7
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 8
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中