ニュース速報

ビジネス

ECB理事会メンバー2人、一段の緩和策必要ないと主張

2016年04月27日(水)23時08分

4月27日、ECB理事会メンバーのエストニア中銀総裁とアイルランド中銀総裁は、ECBは短期的に一段の刺激策を導入する必要はないとの考えを示した。写真はフランクフルトにある旧ECB本部前で撮影(2016年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[タリン/ダブリン 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのエストニア中銀総裁とアイルランド中銀総裁は27日、ECBは短期的に一段の刺激策を導入する必要はなく、現在実施されている措置の効果が表れるまで忍耐強く待つ必要があるとの考えを示した。

アイルランド中銀のレーン総裁は、ECBの一段の金融政策措置は完全に指標次第で、何らかの「新展開」があれば現在のスタンスを変更する必要があるとの見解を示した。

同総裁は会見で、「今後は完全にデータ次第となる。3月のインフレ見通しの引き下げは追加措置を実施するのに十分だった。今後見通しがどうなるか見守りたい」と述べた。

その上で「2015年を通して(ECBの)異例の措置が効果を発揮していたことは指標で示されている」としたうえで、「現在の設定を見直すには、何らかの新展開が必要だ。今の政策は現在の一連の予測に基づいており、データに大きな改定があればもちろん政策も修正できる」と語った。

またエストニア中銀のハンソン総裁は、ECBはこれまでのところエネルギー価格低下の影響が賃金や財・サービス価格に波及するのを効果的に防いでいると指摘。「金融政策の効果が表れるまでには時間がかかる」とし、忍耐強く待つ必要があるとの考えを示した。

ECBの緩和的な金融政策は効果を発揮しているとの主張を裏付けるかのように、この日にECBが公表したデータによると、ユーロ圏の企業向けの貸し出しは3月は前年同月比1.1%増となり、伸び率は2011年12月以来の高水準となった。家計向け融資の伸び率は2011年11月以来の高水準となる1.6%だった。

JPモルガンのエコノミスト、グレッグ・フゼシ氏は、銀行融資拡大の動きはユーロ圏各国で幅広く見られたとし、「マイナス金利の影響をめぐる懸念を踏まえると非常に良好な結果」だったとしている。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岩屋外相、トランプ大統領の就任式出席へ ルビオ氏と

ワールド

アングル:米車突入事件、導入予定の車止めでも阻止で

ワールド

アングル:大干ばつから一転洪水リスク、アフリカの小

ワールド

米・ウクライナ首脳が電話会談、支援や対ロ制裁など協
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 2
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    「本物?」レディー・ガガ、楽曲ヒットでファンに感…
  • 6
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 7
    古民家がレストラン・サウナに! 動き出した「沿線ま…
  • 8
    悲報:宇宙飛行士は老化が早い
  • 9
    カイリー・ジェンナーを、授賞式会場で「露骨に無視…
  • 10
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 1
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 2
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 3
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 8
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 9
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 10
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中