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今週のドルはレンジ抜けるか焦点、FRB議長証言が材料に
2月23日、今週の外為市場では、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を通じて、米国の利上げ時期を見極める展開が想定される。マドリードで先月撮影(2015年 ロイター/Andrea Comas)
[東京 20日 ロイター] - 今週の外為市場では、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を通じて、米国の利上げ時期を見極める展開が想定される。このところ方向感を欠いているドル/円が、レンジ抜けを果たすかどうかがポイントになりそうだ。
予想レンジはドル/円が117.80─120.20円、ユーロ/ドルが1.1200─1.1550ドル。
最大の注目イベントである、イエレンFRB議長の議会証言は24─25日に予定されている。議会証言は上下院で行うが、証言内容は似通っていることが通例のため、初日の証言が材料視されやすい。
市場では、18日に発表された1月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の内容についての受け止め方が揺れている。発表直後は、ハト派寄りな内容だとして米利上げ時期の後退を織り込む動きが優勢となり、米金利の低下やドル/円の下落につながった。その翌日にかけては、イエレン議長が議会証言でタカ派寄りの発言をするとの思惑が台頭して米金利が反発し、ドルも値を戻した。
米利上げ時期についての市場の見方はまだ収れんしておらず「証言内容次第でドル/円は、上下いずれにも値幅の出る余地がある」(邦銀)という。ドル/円は、過去数週間にわたってはまり込んでいる概ね117─120円のレンジを、上下いずれかに明確に抜けられるかどうかがポイントになりそうだ。
市場では「複数のメンバーがハト派寄りの認識を示していた上、イエレン議長自身がハト派とされるだけに、議会証言に期待をつなぎにくい」(国内金融機関)との見方が聞かれる一方、「強かった1月雇用統計が考慮されておらず、利上げ時期後退と判断するのは早計。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を見極めたい」(同)として、6月利上げの期待は残っているとの見方が出ている。
イエレン議長は相場に影響を与えないよう慎重な言葉選びをするとの見立てから、議会証言はイベント化しないとの見方も根強い。ただ、「金融政策に詳しくない議員からイレギュラーな質問が出て、それに対する回答がサプライズとなる可能性もある」(バークレイズ銀行の為替ストラテジスト、門田真一郎氏)との指摘もあり、注意が必要だ。
<ギリシャ情勢の視界不良は継続か>
ギリシャ情勢をめぐっては、ユーロ圏諸国が20日の財務相会合(ユーログループ)で、金融支援の4カ月間延長で暫定合意した。これにより、ギリシャが財政破綻やユーロ圏離脱へと追い込まれる切迫したリスクは後退した。
ただ、ギリシャのチプラス政権は1月選挙で緊縮策の撤回を掲げて勝利しただけに「ギリシャにとっては大幅な譲歩。今後の国内の反応に警戒する必要がある」(別の国内金融機関)との指摘も出ている。
現行のギリシャ支援プログラムは28日に期限を迎える。ギリシャは、支援期間中に実施する政策措置の一覧を23日までに提出する必要がある。ユーログループは24日に電話会議を通じてこれを承認するとみられるが、疑問の残る内容なら、再び会合を召集することになっている。
(為替マーケットチーム)