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11月26日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の153円後半で取引されている。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)
Shinji Kitamura
[東京 26日 ロイター] -
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の153円後半で取引されている。次期米大統領のトランプ氏が就任後に関税を課す考えを示したことで、カナダドルとメキシコペソ、中国人民元が売られた一方、ドルや円、スイスフランがリスク回避的に買われた。
しかし、急速な動きが一巡した後は状況を見極めたいとの見方が強まり、メキシコペソなどが下げ幅を縮小し、ドルも反落した。
この日の東京市場は、朝方から大きな値動きとなった。トランプ氏が日本時間26日午前、自身のSNSで、就任初日にメキシコとカナダからの輸入品に25%、中国にも10%の関税を課すと表明したことが手掛かりとなった。
発言を受けて、対米ドルでカナダドルが1.41ドル後半へ1%超、メキシコペソが20ペソ後半へ2%弱急落。その後取引が始まった中国人民元も売られ、約4カ月ぶり安値を更新した。
さらに、日経平均が一時700円超下落するなどアジア株が全面安になると、中国と経済的なつながりが深い豪ドルやNZドルなどが一段安となり、円は全面高となった。加ドルは110円前半から108円半ばへ1%超、ペソは7.58円付近から7.42円付近へ2%弱急落した。
メキシコペソなど幅広い通貨に対してドルと円が同時に買われたことで、ドル/円は売買が入り乱れる形となり、153円半ばから154円前半を行き来する方向感の乏しい展開となった。
午後に入り、午前の急速な値動きが落ち着いてくると、加ドルやメキシコペソが小幅に切り返し、ドルや円が弱含みとなった。
市場では、トランプ氏が関税を課す理由として、従来から訴えていた対米貿易黒字や国内産業の保護ではなく、不法移民や違法薬物取引に対する懸念を理由に挙げた点に、関心を寄せる声が出ていた。
「麻薬や移民を抑制すれば、関税は引き上げないとも読める。狙いは外交的な駆け引きだろう」(外資系のファンドマネージャー)として、今後の進展を見守る必要があるとの指摘が聞かれた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 153.70/153.75 1.0474/1.0476 161.02/161.03
午前9時現在 154.37/154.39 1.0443/1.0445 161.22/161.25
NY午後5時 154.18/154.19 1.0494/1.0495 161.80/161.84