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英中銀のインフレ見通し、市場の利上げ過小評価を反映=総裁
[ロンドン 5日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は5日、中銀が最新の経済予測で示した2─3年先のインフレ率が中銀の目標を上回ったのは、この先に予想される金融引き締めが市場で十分に織り込まれていないことを反映しているとの見解を示した。
中銀は2月、英国の2─3年先のインフレ率は約2.1%になるとの見通しを表明。中銀が目標とする2%をやや上回った。中銀が示した見通しは、英国が欧州連合(EU)と条件などで合意した上で離脱するとの仮定に基づいている。
カーニー総裁は上院委員会で「金利の道筋は十分に堅固ではない。われわれが責務を果たすには十分に高くない」と述べた。
また、英経済における需給の緩み(スラック)の度合いは拡大しているとし、このことは金融引き締めをそれほど実施しないことと整合性が取れていると指摘。ただ同時に、インフレ調整後の賃金は伸びているとの認識も示した。
英国のEU離脱(ブレグジット)を巡っては、企業は投資よりも人材の採用を優先させているとの見方を示した。
物価連動国債の将来について、古くなった小売物価指数(RPI)より消費者物価指数(CPI)に連動させる方式を有望視した。
国立統計局(ONS)は、1947年に導入されたRPIはもはや信頼できるインフレ指標ではなくなっており、CPIが示す本来の価格上昇を誇張しているとの見方を示している。
カーニー総裁は「CPIへの移行が決まれば、RPIは遺産と化し、遠い過去のものとなる」と指摘した。
*内容を追加しました。