投資に最高性能のAIを使っても、それで差はつかない。ChatGPTの時代に個人投資家が勝つには何が必要か
「平均的」な価値観ではAIに淘汰され、世界に後れを取る
では、AIが発達した未来で個人投資家にできることは何なのだろうか。藤野氏は続ける。
「日本市場予測において、多くのファンドマネージャーは自分たちなりに銘柄の相対的な魅力度を判断するモデルを作り、会社調査をして、業績のコンセンサス予想より上に行くか下に行くかの当てっこゲームをしている」
「しかし、決算データや予測数値、月次報告、グローバル市場や競合企業の動向を読み込み、リアルタイムに業績が上がるか下がるかの確率を予想するのは、人間よりもChatGPTのほうが瞬時にできる。そうすると投資家にできることは、短期予想ではなく、5年、10年の長期をどれだけ見るか」
今井氏によれば「AIが普及すると、個人の能力差にあまり意味がなくなる」。生成AIは既存のデータを集めて学習するので、アウトプットも「平均的」になっていき、そうすると、いかに「非凡であるか」「極端であるか」が求められる時代が到来しそうだ。
「変わった考えを持った人に全力投資すれば、たとえ失敗したとしてもそれが物語として消費されるから、それはそれでお金になるだろうと。極端なことをやっている人に賭けるのが、これからの社会では『あり』なのではないか」
藤野氏もこれに同意し、「日本人は平均値であることを尊ぶ文化、アメリカ人はアウトスタンディング(傑出すること)を尊ぶ文化がある。目立つこと、極端なこと、違うことを喜ぶ社会のほうが世の中の進化は早くなる。僕らのあり方を変えないと、アメリカとの差がますますついてしまうのではないか」と危機感を募らせた。
投資以外の分野では、教育は変革期を迎える可能性が高いと今井氏は分析する。AIに質問すれば24時間いつでも回答がもらえるようになれば、教師の役割や教育のあり方は大きく変わるだろう。
また、以前からホワイトカラーの仕事の大部分はAIにより削減されると指摘されてきたが、どうやらこれは知的労働に限った話ではないようだ。
「10年後の未来は研究者の間でも意見が分かれるので予想が難しいが、走ったり、スキップしたりといった物理的動作も、AIはおそらく出来るようになっているだろう。ホワイトカラーだけでなく、肉体労働の仕事もなくなっているかもしれない」と今井氏は言う。
今井氏はさらに、「そう遠くない未来、パソコンやスマホに常駐して、何でもしてくれるAIパートナーが登場するのではないか」と続けた。
AIがあれば何でも解決する社会がすぐそこまで来ている。そのとき、我々はどう生きるべきなのか。「人間のあり方」がこれほどまでに問われる時代は過去に類を見ない。
構成・酒井理恵
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