株価が上がっているのに、「価値の下がっているモノ」を貯め込んでいる日本人
「日本人は、大切な資産である株式を喜んで投げ出している。自分の身体で労働を提供して、おいしいところだけ外国人に持っていかれている」と、藤野氏は説明する。
つまり、日本人は労働対価をもらうだけの労働者に過ぎず、株高の恩恵に預かれるのは外国人だけということだ。
そもそも日本人は、株式を「資産」ではなく「博打」の対象だと考える傾向が強い。そのため、家計の金融資産はいまだ現金・預金が半分以上を占める(日本銀行調査統計局「2020年第3四半期の資金循環<速報>」)。
「格差は政府ではなく、自分たちの行動で広げてしまっているもの。お金をただ抱えているだけでは増えないどころか、むしろ価値が減っている。私がいま一番懸念しているのは、見えないうちに、日本人の生活がどんどん貧乏になっていくこと」
「大量の現金を手元に抱え込む意味はまったくない」と断言する藤野氏自身の金融資産は、なんと株式の割合が95%。気鋭のプロ投資家は、日本の株高に貧困と格差の深刻化を見て警鐘を鳴らしている。
構成・酒井理恵
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