コラム

どんな時にもユーモアを 朴大統領退陣デモに集まったユニークな人たち

2016年11月29日(火)16時09分

自ら怒りに燃えるロウソクとなってデモに参加した人たち REUTERS/Kim Hong-Ji

 韓国では毎週土曜日、朴槿恵大統領の退陣を求める集会が全国各地で行われている。ソウル市光化門周辺だけでなく、大邱、釜山、光州など、大都市の繁華街で、毎週土曜日集会が行われている。韓国の朴大統領が犯したスキャンダルとなぜ韓国人が怒っているのかについては、ニューズウィーク日本版本誌(2016-11-29号)の特集にもなった。

 欧米のメディアはもっと辛辣で、韓国の大統領が"shaman-fortune teller"の娘チェ・スンシル氏と手を組んで不正蓄財をしていたと報道している。チェ氏は民間人であるにもかかわらず、朴大統領の古い友人という立場を利用して大統領府から政府の機密文書を手に入れ国政に介入、国家予算も牛耳り不正蓄財した。韓国検察の捜査も進んでいる。検察は朴大統領を悪い友人に利用された被害者ではなく、不正に加担し不正を指示した共犯として捜査していることも明るみになった。

 韓国のオンラインコミュニティやSNSは朴槿恵大統領の退陣を求める書き込みであふれている。SNSにはオフラインで抗議活動をしたという「認証写真(自分のしたことを証明する写真を投稿すること)」も数多く投稿されている。KPOPアイドルの間でも、光化門で行われた抗議集会の現場に自分もいたことを証明する写真、朴大統領の退陣を求める発言をしたことを証明する写真をTwitterやInstagramで投稿するのが流行っているほどだ。

 韓国民主化運動の中心部であった光州市では、自宅のベランダに「国民の命令だ。朴槿恵は退陣せよ」と書いたプラカードを張り付ける運動が始まった。SNSでは自宅のベランダにプラカードを張り付けたという認証写真がどんどん増えている。

プロフィール

趙 章恩

韓国ソウル生まれ。韓国梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学修士、東京大学大学院学際情報学府博士課程。KDDI総研特別研究員。NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「日経ビジネス」「日経パソコン(日経BP)」「日経デジタルヘルス」「週刊エコノミスト」「リセマム」「日本デジタルコンテンツ白書」等に連載中。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。

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