國分 防大をベースにした日本防衛学会をつくったのは五百旗頭先生で、初代会長となりました。それまで研究会だったものを学会に格上げしたんです。
御厨 日本防衛学会猪木正道賞を作ったのも彼でしょう。「学会を作ったら、その学会の賞を作るべきだ」という持論を防衛学会でかたちにした。日本国際政治学会でも日本政治学会でも、権威のある学会賞を作りたがっていましたね。
岸 サントリー学芸賞では、政治・経済部門の選考委員として後進の指導に力を注ぎましたね。二十数年間も選考委員を務めています。
御厨 毎日新聞の書評委員をしながらあの選考もやっていた。多忙ななかでも、力のある若手を見つけ応援するために、時間とエネルギーを割いて相当多くのものを読んでいたと思いますね。
※第2回:「現場を見ないとわからない」と述べた五百旗頭真先生...復興支援の覚悟と現実政治への関わりに続く
蒲島郁夫(Ikuo Kabashima)
1947年熊本県生まれ。ハーバード大学大学院Ph.D。筑波大学教授、東京大学教授を経て、2008年4月から24年4月まで熊本県知事を4期務めた。東京大学名誉教授。専門は投票行動論など。
國分良成(Ryosei Kokubun)
1953年生まれ。慶應義塾大学法学部教授などを経て、2012年から2021年まで防衛大学校長。専門は現代中国論、東アジア国際関係。著書に『現代中国の政治と官僚制』(慶應義塾大学出版会、サントリー学芸賞)など。
御厨 貴(Takashi Mikuriya)
1951年生まれ。東京大学名誉教授。専門は近代日本政治史、オーラル・ヒストリー。著書に『政策の総合と権力』(東京大学出版会、サントリー学芸賞)など多数。2018年紫綬褒章、2024年瑞宝中綬章。
岸 俊光(Toshimitsu Kishi)
1961年生まれ。毎日新聞学芸部の論壇記者、論説委員を経て、現在、アジア調査会事務局長。早稲田大学大学院博士後期課程修了。博士(学術)。著書に『核武装と知識人』(勁草書房)など。
『アステイオン』101号
公益財団法人サントリー文化財団・アステイオン編集委員会[編]
CCCメディアハウス[刊]
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