こんなイスラム女性たちがアプリで「競売」されている ITの進化が女性に危機をもたらす
オーストラリアの活動家、ノエル・マーティンさんは、こうした虐待が感情や心理に与える影響は、体への虐待と「同じくらい辛い」ものであり、ネット上のコンテンツの拡散性、公共性、永続性により打撃が増幅されると述べた。
マーティンさんは17歳のとき、自分の加工ポルノ画像がネット上に載っているのを見つけた。画像による虐待に抗議する運動を進め、オーストラリアの法改正にも貢献した。
しかしマーティンさんによると、被害者の声はなかなか届かないという。
「テクノロジーによる虐待の被害は、物理的な要素を伴う虐待に比べてリアリティーがなく、深刻でもなく、致命的な結果を引き起こす可能性はないという危険な誤解がある」
「被害者は、こうした誤解のせいで、声を上げ、支援を求め、司法にアクセスすることがより難しくなっている」と言う。
競売は嘘でも迫害は本物
こうした画像を加工している者を、個人が1人で追跡するのは難しい。また、IT(情報技術)プラットフォームは匿名ユーザーの隠れみのとなりがちだ。こうしたユーザーは偽の電子メールやSNSのプロフィールを簡単に作成することができる。
議員でさえ例外ではない。昨年11月には米共和党のゴサール下院議員がSNSに、自身が民主党のオカシオコルテス下院議員を殺害するアニメ動画を投稿し、下院が問責決議を行った。
EndTABのダッジ氏は「新しい技術が出るたびに、それがいつ、どのように悪用され、ネット上の未成年・成年女性に危害を加える武器になるのかを即刻考えるべきだ」と訴えた。「ITプラットフォームによって、オンライン虐待の被害者側にひどく不利な環境が生み出されてしまった」とし、現実世界で被害を受けたときに助けを求める従来の方法は、ネット上の虐待ではそれほど利用できないと説明した。
行動を起こしたIT企業もある。鍵や財布に付けることができる位置特定装置「エアタグ」が女性の追跡に使用されているという報道を受けて、米アップルはユーザーのプライバシーを保護するアプリを立ち上げた。
一方、インドではオークションを偽るアプリに掲載された女性たちの動揺が収まっていない。
今回容疑者が逮捕されたアプリに画像が載ったジャーナリストのイスマット・アルアさんは「これはオンラインハラスメントそのものだ」と述べた。
やはり画像がこのアプリに載ったアルファ・カーナム・シェルワニさんはツイッターにこう投稿した。「オークションは偽物かもしれないが、迫害は本物だ」
(Rina Chandran記者)
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