最新記事

副反応

米CDC、コロナワクチン接種後の心筋炎を調査

2021年5月24日(月)08時18分
新型コロナウイルスの接種会場

米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会は、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた若者の間で、まれに心筋炎を発症するケースが出ているとし、さらに調査が必要だとの認識を示した。若年層への接種、フィラデルフィアで18日撮影。(2021年 ロイター/Hannah Beier)

[22日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会は、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた若者の間で、まれに心筋炎を発症するケースが出ているとし、さらに調査が必要だとの認識を示した。

特に思春期・若年成人の男性が発症するケースがみられるという。

心筋炎は、心臓の筋肉組織に炎症が起きる疾患。同委員会によると、合併症を引き起こさずに治るケースが多く、さまざまなウイルスが原因になり得る。

同委員会は17日付の声明で、心筋炎の事例が通常よりも増えているわけではないが、「潜在的な有害事象」として医療機関に伝える必要があるとしている。発症者の数は明らかにしていない。

ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターのアメシュ・アダルジャ博士は、ワクチンが心筋炎を引き押すことは知られており、新型コロナワクチンと因果関係があるのかの観察が重要だとした上で「因果関係が証明された場合でも、こうした非常にまれなリスクを明らかに上回るメリットが、ワクチンにはあるだろう」と述べた。

CDCによると、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを接種しておおむね4日以内に発症している。

米国で緊急利用が認められているmRNAワクチンは、モデルナが開発したワクチンと、ファイザーとビオンテックが共同開発したワクチンの2種類。

イスラエル保健省は4月、ファイザーのワクチンを接種後にまれに心筋炎を発症する事例があるとして調査を進めていることを明らかにしたが、まだ結論は出ていない。

ファイザーはその際、通常よりも心筋炎が増えているわけではなく、因果関係は証明されていないとの見解を示していた。

ファイザーとモデルナのコメントは得られていない。

CDCのワレンスキー所長は4月、新型コロナウイルスワクチンと心筋炎との関連性は認められないと発言している。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米上院、航空機の安全対策法案を可決 管制官の増員な

ワールド

トランプ氏三男がフロリダ州代議員に、共和党全国大会

ビジネス

インタビュー:日銀は0.5%以上の利上げ想定、第1

ワールド

米化石燃料発電所の排出量規則、共和党系州司法長官ら
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 2

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽しく疲れをとる方法

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 5

    「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカ…

  • 6

    上半身裸の女性バックダンサーと「がっつりキス」...…

  • 7

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 8

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 9

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 7

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 8

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 9

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食…

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中