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コロナ禍を上手く乗り切っているのはどの国か?-50か国ランキング(2021年5月更新版)

2021年5月19日(水)11時41分
高山武士(ニッセイ基礎研究所)

2.結果の詳細:変異株の流行とワクチン接種の進展に注目が集まる

【評価方法(変更点)】

主な評価方法はこれまでと同じであるが、今回は、2020年の評価を行うにあたって感染者数・死亡者数を20年12月31日のデータで確定させた。また、将来の感染状況の目安として用いていた感染拡大率については年末時点での拡大状況を考慮せず、すべて5.5点の評価(平均点)とした。経済被害については、20年GDPの実績値(一部は見込み)を採用している2。

21年以降、直近までの評価としては、感染者数・死亡者数を21年5月上旬のデータに更新したほか、累積データを求める際には21年以降の累積数とした3。「経済被害」の算出のために用いたGDP見通しを、主に今年4月に公開されたIMF見通しで更新している4。

2 前回まではインド・エジプト・パキスタンについては年度ベースのデータを用いていたが、今回は20年暦年データの確定値とするために、暦年の成長率を推計している。

3 感染拡大率(=直近2週間の感染者数/累積感染者数)では分母を21年以降の感染者数としている。また、致死率(=(21年以降の死亡者数)/(21年以降の感染者数))の計算では、一部の死亡者については、20年時点の感染者としてカウントされている可能性があるが、そうしたズレは考慮していない。

4 コロナ禍前の21年のGDP見通し(ベースライン)とコロナ禍後の最新の21年のGDP見通しを比較している。

【2020年の結果】

2020年の結果は、図表1の通りであり、台湾・韓国・ノルウェーの順に高評価となった。

これらの国では、感染者数も少なく、GDP損失も小さく抑えており、「コロナ被害」の抑制と「経済被害」の抑制を両立している点が共通している。なお、日本も5位であり、他国と比較すると相対的に「コロナ被害」も「経済被害」も小さかったと言える。

トルコやアイルランドは「経済被害」は小さいが、コロナ被害がやや大きく順位を落としており、一方でニュージーランドやタイは「コロナ被害」は小さいが「経済被害」が大きいため順位が落ちている。ニュージーランドやタイはコロナ禍による移動制限の影響を大きく受ける観光関連産業が主要産業の一つであるといったことが「経済被害」が大きくなった要因と言えるだろう。

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