最新記事

フィリピン

口は災いの元! ドゥテルテ大統領、キス強要で女性蔑視と非難浴びる

2018年6月13日(水)18時19分
大塚智彦(PanAsiaNews)

韓国在住のフィリピン同胞を招いた集会でドゥテルテ大統領は女性にキスを強要した Rappler / YouTube

<最近すっかり大人しくなったフィリピンのドゥテルテ大統領、と思いきや旅先でのセクハラが、自らの娘も巻き込んだ騒動に発展した──>

フィリピンのドゥテルテ大統領(73)が反大統領派や女性団体から批判の嵐にさらされている。韓国訪問中にフィリピン人女性に行ったキスが原因でまさに「口は災いの元」になってしまった。

6月12日のフィリピン独立記念日では各地で国旗を掲揚して独立を祝う式典が行われた。これまで独立記念式典に出席してこなかったドゥテルテ大統領は今年初めて、ルソン島カビテ州にあるアギナルド聖堂での国旗掲揚式典に出席した。そして「フィリピンは麻薬や汚職からも独立しなければならない」と演説した。

しかし同日、マニラ市内では女性団体などによるドゥテルテ大統領への抗議運動が行われた。参加した「私は女性運動(BAM)」などは「大統領は女性を軽々しくみており、蔑視している」と声を挙げて市内を行進した。

訪問先の韓国で一般女性にキス

今回の騒動の発端は、ドゥテルテ大統領が韓国訪問中の6月3日に起きた。この日大統領はソウル市内に出稼ぎフィリピン人労働者、家政婦、在韓フィリピン人などを集めた会合で演説。そこで壇上から「キスをしたら本を贈呈しよう。女性がいい」と言って、会場にいたフィリピン人女性2人を壇上に招いた。

1人目の女性は頬を差し出し、ドゥテルテ大統領はこの女性の頬にキスした。2人目の女性は最初男性の手を額に当てるフィリピン式の敬意を示す仕草をしたところ、大統領が自らの唇をさしてそこへのキスを要求した。

その際女性に対し「独身か、夫と別居していないのか、夫にこのキスは単なる冗談だと説明できるか」と問い、女性が「はい」と応えたので唇と唇のキスをして抱きしめた。

フィリピンの報道機関などによるとドゥテルテ大統領とキスしたこの女性はビーア・キムさんといい、韓国人の夫との間に子供が2人いるという。

この大統領とのキスには会場に詰めかけたフィリピン人の間から大きな歓声があがっていた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アップル、見通しさえず株下落 第4四半期は予想上回

ワールド

米裁判所、マスク氏訴訟の手続き保留を決定 大統領選

ワールド

北朝鮮、31日発射は最新ICBM「火星19」 最終

ワールド

原油先物、引け後2ドル超上昇 イランがイスラエル攻
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:米大統領選と日本経済
特集:米大統領選と日本経済
2024年11月 5日/2024年11月12日号(10/29発売)

トランプ vs ハリスの結果次第で日本の金利・為替・景気はここまで変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後はさらなる「倒産増加」が予想される
  • 2
    「まるで睾丸」ケイト・ベッキンセールのコルセットドレスにネット震撼...「破裂しそう」と話題に
  • 3
    幻のドレス再び? 「青と黒」「白と金」論争に終止符を打つ「本当の色」とは
  • 4
    脱北者約200人がウクライナ義勇軍に参加を希望 全員…
  • 5
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 6
    北朝鮮軍とロシア軍「悪夢のコラボ」の本当の目的は…
  • 7
    天文学者が肉眼で見たオーロラは失望の連続、カメラ…
  • 8
    中国が仕掛ける「沖縄と台湾をめぐる認知戦」流布さ…
  • 9
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 10
    自爆型ドローン「スイッチブレード」がロシアの防空…
  • 1
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 2
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴出! 屈辱動画がウクライナで拡散中
  • 3
    キャンピングカーに住んで半年「月40万円の節約に」全長10メートルの生活の魅力を語る
  • 4
    幻のドレス再び? 「青と黒」「白と金」論争に終止符…
  • 5
    2027年で製造「禁止」に...蛍光灯がなくなったら一体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語ではないものはどれ?…
  • 7
    世界がいよいよ「中国を見捨てる」?...デフレ習近平…
  • 8
    日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後…
  • 9
    「決して真似しないで」...マッターホルン山頂「細す…
  • 10
    【衝撃映像】イスラエル軍のミサイルが着弾する瞬間…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 6
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 7
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 8
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 9
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 10
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中