最新記事

英王室

結婚式はハリー王子の「禊」 呪縛を解き放ったメーガンの「操縦術」がすごい!

2018年5月21日(月)16時00分
有元えり

top369.jpg
VE Day(ヨーロッパ戦勝記念日)の式典で(1995年5月7日) Dylan Martinez DM-Reuters

母の死を封印することによって、平静を保つことを選んだハリー。実際、母の葬儀で残酷なまでに公衆の面前に晒されたハリーは終始俯き、表情はこわばったままだった。それでもなんとか気丈に振る舞う姿に世界中が涙したものだった。

まだ幼い王子たちだけに、彼らの心の傷を誰もが心配したものだったが、幸いにして2人ともイートン・カレッジでの寮生活が始まっていた。学校の寮が囲いになって、加熱するマスコミ報道をシャットアウトできたのはせめてもの救いだろう。かくして王子たちの私生活は守られた。

10代でアルコール依存、喫煙、マリファナ騒動

深い悲しみを抱えたまま、成長する王子たちだったが、その後の兄弟の進路は異なっていく。

品行方正な兄ウィリアムは学業でも優秀な成績を修め、パブリックスクール卒業後は1年間のギャップイヤーを経て、2001年にセント・アンドリュース大学に進学。順風満帆そのものだった。

一方でハリーは、スポーツ万能でラグビーやポロのクラブで活躍するものの、14歳ですでにアルコール依存症。タバコや大麻にも手を出し、その私生活は荒んでいた。17歳の夏休みには厳しい寮生活からの開放感からか、マリファナ吸引騒動を起こしている。これには父チャールズ皇太子も激怒し、麻薬中毒患者のセミナーに参加させられたこともあった。次第にタブロイド紙の常連になり、「王室の反逆児」のレッテルを貼られるように。

学業面では勉強に手を抜き、学年でも最低ランクの成績。結果的に、大学進学はあきらめ(そもそも進学を望んでいたかは疑問だが)、サンドハースト王立陸軍士官学校に入学を果たし、軍人への道を歩むことになる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ISM非製造業総合指数、4月は49.4 1年4カ

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想下回る 賃金伸び鈍化

ワールド

欧州委、中国EV3社に情報提供不十分と警告 反補助

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想以上に鈍化 失業率3
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中